JAPEXなどマレーシアCCSスタディと連携したバリューチェーン連携

石油資源開発(本社:東京都千代田区、以下、JAPEX)、日揮ホールディングス(本社:横浜市西区)、川崎汽船(本社:東京都千代田区)、JFEスチール(本社:東京都千代田区)は6月19日、マレーシア国営エネルギー会社、Petroliam Nasional Berhad(以下、ペトロナス)と進めているマレーシアにおけるCCS(二酸化炭素の回収・貯留)に係る共同スタディと連携した、日本を起点とするCCSバリューチェーン構築を目指す共同検討を実施することで合意し、既述4社による覚書を締結したと発表した。
4社は今後、JFEスチールの日本国内の製鉄所で排出するCO2の分離・回収、およびマレーシアまでの液化CO2の海上輸送と受け入れまでのCCSバリューチェーン構築について、必要な設備やコストなどを含めた検討を行っていく。

NMC, Embraer合弁 将来は多様な電動航空機に駆動システム提供

ニデック(本社:京都市南区)の米国子会社、ニデックモータ(以下、NMC)とブラジル航空機メーカー、Embraer S.A.(エンブラエル)が共同で設立した合弁会社は、空飛ぶクルマの部品事業に参入、航空機向けの電機駆動システムの供給を主幹事業とするが、将来は様々な電動航空機に電機駆動システムを供給していく計画だ。
合弁会社の本社所在地は米国ミズーリ州セントルイス、出資比率はNMC51%、Embraer49%。両社のブラジルやメキシコの既存工場を活用して製造を開始する。当面は空飛ぶクルマと呼ばれる電動垂直離着陸航空機、eVTOL(イーブイトール)向け部品に軸足を置く。

出光興産 全固体電池の固体電解質の小型実証プラントの能力増強

出光興産(本社:東京都千代田区)は6月19日、全固体リチウムイオン二次電池の普及・拡大へ向け、固体電解質の小型実証設備第1プラント(稼働開始2021年11月)の生産能力を増強すると発表した。完工時期は2024年度の計画。また、2023年7月より小型実証設備第2プラントの稼働も開始。全固体電池の開発を進める自動車・電池メーカーなどへ、固体電解質を着実に供給していく。

ヤマトHDと日本郵政Gが初の本格的協業 ライバルがタッグ

宅配大手、ヤマトホールディングスと日本郵政グループは6月19日、物流サービスで協業すると発表した。ヤマト運輸が現在提供しているメール便「クロネコDM便」、小型便「ネコポス」を廃止。新たに「クロネコゆうメール(仮称)、「クロネコゆうパケット(仮称)」に衣替えし、日本郵政が配達する。ヤマトと日本郵政グループが本格的に協業するのは初めて。ドライバー不足の中、2024年問題を控え、業界のライバルがタッグを組む。

ブラザー インド・ベンガルール市郊外に新工場 建設起工式

ブラザー工業(本社:名古屋市瑞穂区)はこのほど、インド南部カルナータカ州ベンガルール市郊外の日本企業専用工業団地(JITs:Japan Industrial Townships)の新工場建設予定値で起工式を開いた。新工場の敷地面積は3万2,100㎡。2024年12月からマシニングセンターSPEEDIOの生産開始を目指す。工場屋上に太陽光パネルを設置するほか、再生可能ネルギー活用ににより年間約600トンのCO2排出削減を目標としている。
ブラザー工業は2022年3月、アフターサービス、テクニカルサポート、マーケティングを手掛けるブラザーマシナリーインディアを設立。今回、これに生産機能を追加、新工場を建設する。

経産相 ラピダスに追加支援検討 千歳市の工場建設予定地を視察

西村康稔経済産業相は6月18日、北海道千歳市の次世代半導体の国産化を目指す新会社「ラピダス」の工場建設予定地を初めて視察した。西村氏は投資の規模とスピード感が重要とし、同行した北海道の鈴木直道知事らから要請されたインフラ整備のための追加の財政支援に「しっかり検討したい」と述べた。
政府は、2027年の量産化を目指すラピダスを国家プロジェクトと位置付け、全面的に支援する姿勢を示しており、経産相はすでに新工場に対し計3,300億円を助成すると決めている。鈴木知事は「地元自治体だけでは難しい。地域事情に合わせ柔軟に活用できる支援制度の創設」などを求める要望書を手渡した。

JAL シェル・アビエーションと25年からSAF調達で契約

日本航空(以下、JAL)は6月16日、Shell(シェル)社の航空燃料部門、Shell Aviation(シェル・アビエーション)と、2025年から米国・ロサンゼルス国際空港でSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)を調達する契約を締結したと発表した。これによりJALは、GX戦略の目標の一つ、「2025年度に全燃料搭載量の1%をSAFに置き換え」を達成する見込み。

ニデック ブラジルEmbraerと空飛ぶクルマ部品事業で合弁

ニデック(本社:京都市南区、旧日本電産)は6月18日、米国子会社のニデックモータ(以下、NMC)がブラジル航空機メーカーのEmbraer S.A.(エンブラエル、以下、Embraer)と空飛ぶクルマの部品事業を手掛ける合弁会社を設立することで契約を締結したと発表した。
2025年大阪・関西万博を機に、大きな成長が期待される空飛ぶクルマの部品事業を収益の柱の一つに育てる。同合弁会社は6月19〜25日に開催される第54回パリ航空ショーで、空飛ぶクルマと呼ばれる電動垂直離着陸航空機(以下、eVTOL:イーブイトール)向けに製品およびサービスを提供し、Urban Air Mobility(以下、UAM)市場へ新規参入することを発表する。
なお、同新会社の電気駆動システムの最初の販売先はEmbraerの子会社、Eve Air Mobilityとなる。

INPEX, 大阪ガス 脱炭素げ世界最大級のメタネーション試験設備 

INPEXと大阪ガスは6月16日、共同でNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から採択された助成事業のもと、2021年より進めている都市ガスのカーボンニュートラル実現へメタネーションの実用化に向けた技術開発事業で、新たに千代田化工建設とEPC契約を締結したと発表した。これに基づき建設開始した試験設備は、世界最大級となる家庭用1万戸分に相当する400N㎥-CO2/h。メタネーションの実証事業期間は2021年度下期〜2025年度末の予定。

川崎汽船 シンガポールにKME設立 船舶の安全,管理など機能を移管

川崎汽船は6月16日、シンガポールに6月7日、100%出資によるK LINE MARINE&ENERGY PTE.LTD.(以下、KME)を設立したと発表した。KMEには現在、東京本社で担っている船舶の安全、品質管理や新燃料、新技術に対応できる船員の確保、養成などの機能を移管。これにより、海技を含む安全・品質管理のグローバル体制のさらなる強化を推進する。8月1日に事業を開始する予定。