椿本チエイン 7時間飛行 産業用ドローン 車エンジン搭載

椿本チエインは3月11日、ガソリンエンジンを搭載した産業用ドローンの製造・販売に参入すると発表した。ドローンでは主流のバッテリー搭載の、30分程度が限界とされる電動型と比べ、エンジン型では最長で7時間もの長時間の飛行で、電動型の約2.5倍の50kgまでの重い荷物の輸送が可能という。災害現場や老朽化が進むインフラ施設の点検などでの活用を見込んでいる。2030年からの販売を目指す。
同社は1月、このドローンを研究開発している会沢高圧コンクリート(所在地:北海道苫小牧市)と独占的に製造・販売できるライセンス契約を締結。本業のチェーンを組み込んだ自動車エンジン用システムの開発や生産で培ったノウハウを新分野で生かすのが狙いで、今後、生産体制の構築のに乗り出す。

播磨灘でイカナゴ漁解禁も不漁続き早めの打ち切り検討

瀬戸内に春の訪れを告げるイカナゴ漁が3月12日、播磨灘で解禁されたが、昨年に続く深刻な不漁となった。明石市林崎漁港によると、初日の水揚げはおよそ190kgと、わずか1日で漁が打ち切られた昨年の3分の1程度にとどまった。そのため、初競りでは1キロあたりおよそ8,000円とこれまでで最も高い値がつけられた。
これを受け、地元の漁業者らは資源保護のため漁の早めの打ち切りも含めて検討するとしている。

日産自 横浜でドライバーが乗らず自動運転車の実証走行

日産自動車は3月10日、交通量の多い横浜市街地で、ドライバーが乗らずに自動運転車の実証走行を報道陣に公開した。同社は2027年度の移動サービスの開始を目指している。
今回ミニバンをベースに開発した車両には、周囲を把握するカメラやレーダーなどのセンサーが29カ所に取り付けられており、時速40キロまで速度を上げて自動運転で走行した。緊急時に安全を確保するため、実証走行では車両を遠隔で監視するほか、助手席には非常停止ボタンを押すため乗員がいたが、開発した車両は街中を走るほかの車のスピードに合わせて、スムーズに車線変更したり停止したりしていた。

日産社長にエスピノーサ氏 内田氏退任 経営立て直しへ

日産自動車は3月11日、内田誠社長(58)が3月末で退任し、後任に商品企画の最高責任者イバン・エスピノーサ氏(46)が4月1日付で就く人事を発表した。新たな体制で遅れているリストラ策の断行や、他社との提携を進め、経営の立て直しを図る。
内田氏は足元の業績悪化の責任を取る形で、6月の株主総会を経て取締役からも退く。坂本秀行副社長ら3人の副社長も退任する。

セブン&アイHD 米店舗売却でクシュタールと予備的協議

セブン&アイ・ホールディングス(HD)は3月10日、カナダのコンビニ大手アリマンタシフォン・クシュタールからの買収提案の検討状況について、株主に説明する書簡を公開した。米国の反トラスト法(独占禁止法)への対応では、クシュタールと店舗売却の予備的協議に合意したと明らかにした。
米国内のコンビニ店舗数はセブンが1位(約1万3,000店)、クシュタールが2位(約6,000店)。独禁法の規制をクリアするには2,000店以上の売却が必要とされる。

エンタメ戦略10分野を設定 経産省中間案 5月めどに策定

経済産業省は5月をめどに、アニメやゲームなどのコンテンツ産業を基幹産業として振興するため、初めて「エンタメ・クリエイティブ産業戦略」を策定する。この中間取りまとめ案が判明した。関連産業に波及させ、訪日客増加による地方活性化にもつなげる。スポーツも重点分野に位置付け、2030年に観戦による訪日客を年100万人超に倍増させる。
経産省は予算措置や税制優遇などを検討し、官民が連携して産業振興に取り組む体制を整える。同省によると、コンテンツ産業の2023年の海外売上高は5.8兆円で半導体産業(5.5兆円)を上回る。政府は10年後に20兆円に増やす目標を掲げている。

政府 島嶼国に4億1,700万円 気候変動対策費として拠出

政府は、太平洋諸島の島嶼国の太平洋諸島フォーラム(PIF)事務局との対話枠組みを創設する。気候変動などの対策費として4億1,700万円(約300万ドル)を拠出し、巨額のインフラ整備援助をテコに島嶼国への影響力を強める中国に対抗する構えだ。
この対話枠組みには日本から外務省の太平洋・島サミット担当大使、PIFからは事務局次長がそれぞれ参加し、年1、2回の会談を通じて地域情勢や気候変動などを協議する予定。

播磨灘でのイカナゴ漁3/12解禁 近年不漁で早めの打ち切りも

兵庫県の漁業者は、播磨灘での今シーズンのイカナゴ漁を3月12日に解禁することを決めた。これに先立ち8日に行われた試験操業でも今年も稚魚など資源の量は極めて少なく、水揚げの状況を見ながら早めの打ち切りも含めて検討するとしている。
県によると、イカナゴの県内の漁獲量は長年、年間1万〜3万トン台で推移していたが、2017年以降は年間1,000トン台に激減し、昨シーズンは資源保護のため解禁初日に漁を打ち切っている。
春の味覚「くぎ煮」に使われるイカナゴは播磨灘と大阪湾が国内有数の漁場だが、近年の深刻な不漁続きで、大阪湾は昨シーズンに続き今シーズンも早々に休漁を決めている。

コスモエネHD 堺市に大規模SAF生産設備完成 4月から供給

コスモエネルギーホールディングスが大阪府堺市で建設を進めていた航空機の次世代燃料SAF(Sustainable Avietion Fuel)の大規模な生産設備が完成し3月6日、関係者らが出席して記念式典が開かれた。
この設備は飲食店や家庭で出た串カツやから揚げなどで使った廃油をタンクに貯蔵し、年間3万キロリットル、東京ーロンドン間を350回往復できる量のSAFを生産する能力がある。同社は来週から試運転を開始し、4月から航空機への供給を開始したいとしている。

マツダ 旗艦車種「マツダ6」の生産終了へ SUVを中核に

マツダは、同社のブランドを支えてきた旗艦車種の「マツダ6」の生産を近く終了する方針を明らかにした。マツダ6は現在、セダンとワゴンを展開しているが、ピークの2005年には27万台超を販売。全世界の累計販売台数は404万台以上に達している。今回の方針表明により、マツダ6のおよそ23年の歴史に幕を下ろす。これは、世界的に人気のSUV(スポーツ用多目的車)を中核に据える戦略の一環で、経営資源を集中させることが狙い。