パナソニック ベトナムで天井扇,換気扇の新工場稼働

パナソニックエコシステムズは9月27日、4,500万米ドル(約50億円)を投じ、パナソニックライフソリューションズベトナム有限会社が、ベトナムのビンズオン省に新工場を建設し、10月13日から天井扇、換気扇の生産および出荷を開始すると発表した。ベトナムにおけるこの商品分野の工場は、パナソニックグループとして初めて。
新工場はホーチミン市中心部より北方に位置し、敷地面積4万9,995㎡で、延床面積2万4,066㎡の2階建て。生産は、ベトナム市場向けの天井扇から開始し、来年度にはベトナムおよびアジア、中東等へも輸出する換気扇へと拡大。東南アジアにおける室内空気質関連機器の主力生産拠点として展開する。これにより、同地域における2025年度の生産台数は約300万台と、2020年度の約1.5倍へ拡大する。また、2023年度には各国の生活様式とニーズに合った商品開発を行う室内空気質ソリューションの研究開発部門(R&D)を設置し、開発・製販一体型の向上を目指す。

JR西日本とソフトバンク BRT自動運転の隊列走行を実証

JR西日本(本社:大阪市北区)とソフトバンク(本社:東京都港区)は9月27日、自動運転で隊列走行するBRT(バス高速輸送システム)の実証実験を10月から始めると発表した。
JR西日本が滋賀県野洲市で保有する土地に、全長1.1kmのテストコースを建設。走行時速は60km程度で、大きさの異なる車両3台を通信でつなげ、後続車は10~20m後ろを走行する。総事業費は約20億円を見込む。
位置情報を読み取る衛星測位システムや道路上の磁気マーカーを読み取る方法などを試す。走行時に障害物を検知できるかなども確認する。ソフトバンクは車間の通信などで協力する。先頭車両は緊急時のみドライバーが運転し、後続車は完全無人とする形を想定。2020年代半ばの実用化を目指す。

日本ルツボ 中国江蘇省南通市に持分法適用会社設立へ

特殊耐火物メーカーの日本ルツボ(本社:東京都渋谷区)は9月28日、中国江蘇省南通市に地場企業2社と持分法適用会社「久精日坩(江蘇)新材料科技有限公司」を設立すると発表した。新会社の登録資本金は3,130万人民元(5億3,900万円)で、出資比率は日本坩堝33.5%、地場の啓東久精耐火材料有限公司61.7%、正英日坩燃焼設備有限公司4.8%。耐火物の生産・販売を手掛け、中国の耐火物市場に参入する。2021年12月設立、操業開始の予定。

JERA フィリピン電力大手に1,750億円出資 脱炭素で協業

東京電力ホールディングスと中部電力が合弁で事業展開する火力発電会社、JERA(本社:東京都中央区)は9月27日、フィリピンの財閥アボイティス・グループの電力大手アボイティス・パワー(以下、APC)の発行済み株式の約27%を約15億8,000万米ドル(約1,750億円)で取得すると発表した。投資額はJERAにとって最大規模。
具体的には足下のCO2排出量削減と、変動する再生可能エネルギーを支え、その導入量拡大に貢献していくため、LNGの活用等に取り組む。アボイティス・パワーとの間ではLNG to Powerプロジェクトの共同開発や、火力発電所における技術協力を進めていくことに合意。さらに同日、LNG調達の協業に関する基本合意書を締結した。

住友商事と西鉄 低炭素社会へ電気バスの導入拡大へ実証

住友商事(本社:東京都千代田区)、住友商事九州(本社:福岡市博多区)、西日本鉄道(本社:福岡市博多区、以下、西鉄)、西鉄バス北九州(本社:北九州市小倉北区)の4社は9月27日、西鉄バス北九州小倉自動車営業所および西鉄アイランドシティ自動車営業所で、電気バスを導入した実証実験を行うと発表した。
今回導入するのは中古の国産ディーゼルバスを電気バスに改造したレトロフィット電気バス」。この電気バスは、住友商事が2019年に出資参画した、台湾最大手の電気バスメーカー、RAC Electric Vehicles(以下、RAC)と共同開発し、従来のレトロフィット電気バスよりも航続距離が長いことから、二酸化炭素の排出削減に寄与する。
この実証実験では低炭素社会の実現に向けて、走行性能、環境負荷および運用面における諸課題を検証するとともに、将来的には国内でレトロフィットすることで改造費用を抑制し、高性能・低価格の電気バス普及・促進を目指す。

中部電力 ベトナム発電会社ビテクスコパワーに20%出資

中部電力(本社:名古屋市東区)は9月28日、ベトナムで水力発電や太陽光発電を手掛ける民間電力会社「ビテクスコパワー」(所在地:ハノイ市)に出資すると発表した。今秋中にも株式の20%を取得する。投資額は数百億円規模。中部電力は新たな収益源として海外投資を拡大しており、東南アジアなどでの事業展開に向け足掛かりとしたい考え。
ビテクスコパワーは、ベトナム国内で水力発電所21カ所、太陽光発電所1カ所を運営・管理する再生可能エネルギー発電会社。

塩野義 コロナ治療の飲み薬 第2段階の治験へ ニーズ大

塩野義製薬(本社:大阪市中央区)は9月28日、開発中の新型コロナウイルスの飲み薬について国内で第2段階の治験に入ったと発表した。対象は軽症や無症状の感染者で、ホテルなどの宿泊療養者も含む。投与しやすい飲み薬のニーズは大きい。今回の治験で有効性と安全性を確かめ、早期の承認申請を目指す。
同社の飲み薬はウイルスの増殖に必要な酵素の働きを妨げる。感染初期に服用し、重症化の防止と発熱やせきなどの症状改善を狙う。1日1回の服用を5日間続ける。7月に始めた第1段階の治験では、国内の20歳以上55歳以下の健康な成人75人を対象に投与。安全性に大きな問題は認められなかったという。
第2段階の治験では、軽症者の症状回復までの時間や無症状者の発症割合などをみて有効性を評価する。医師や看護師を派遣して、宿泊療養者も対象とする。年内に国内で100万人分の生産体制を確保するとしている。

エーザイとバイオジェン 米で認知症薬候補の承認手続き開始

エーザイと米バイオジェンは9月28日、アルツハイマー型認知症新薬候補「レカネマブ」について、米FDA(食品医薬品局)へ製造販売の承認申請を開始したと発表した。6月下旬に審査を優先する「画期的医薬品」に指定されており、従来計画から前倒しで申請手続きを始めた。
レカネマブは軽度のアルツハイマー病や軽度認知障害(MCI)を対象とする新薬候補。病気の原因物質とされ脳内に蓄積されるたんぱく質「アミロイドベータ」を減少させる効果を狙う。6月にFDAが条件付きで承認したアルツハイマー病新薬「アデュヘルム」に次いで2つ目の候補物質となる。

8月の外食売上高9%減 酒類制限響き5カ月ぶり前年下回る

日本フードサービス協会(本部所在地:東京都港区)のまとめによると、8月の外食売上高(全店ベース)は前年同月比9%減だった。前年実績を下回るのは5カ月ぶりで、新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年8月比では24%減となった。変異ウイルス「デルタ株」のまん延による営業時間の短縮要請や酒類の提供中止が大きく響いた。8月の客数は前年同月比8%減、客単価は1%減だった。
業態別では夜の酒類提供を営業主体とする「パブ・居酒屋」は前年同月比69%減と3カ月連続で前年実績を下回った。2019年8月比で89%減と厳しい状況が続いている。ファミリーレストランも外食自粛の動きにより、前年同月比で21%減と7月(同7%減)からさらに減少幅が拡大した。これに対し、ファストフードは持ち帰りや宅配需要が堅調で、前年同月比1%増と6カ月連続でプラスで推移している。

丸紅 英eVTOL「空飛ぶクルマ」200機予約 VA社と業務提携

丸紅と子会社の丸紅エアロスペースは9月24日、「空飛ぶクルマ」と呼ばれるeVTOL(電動垂直離着陸)機の開発を進める英バーティカルエアロスペース(Vertical Aerospace、以下、VA社)とエアモビリティ分野の新規事業創出を目的とした業務提携契約を締結したと発表した。
これに基づき、日本での市場調査や事業参画検討を共同で進める。VA社によると、丸紅から最大200機の予約を条件付きで獲得したという。VA社は英国政府から支援を受け、EASA(欧州航空安全庁)などとの連携や他国企業との提携により、eVTOLの開発を進めている。