RCEP協定 受諾を閣議決定 日本政府

日本政府は6月25日、東アジアの地域的包括的経済連携(RCEP)協定の受諾を閣議決定した。4月の国会承認を受け、必要な政令改正などを終えた。東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局に受諾書を送る。
RCEPは2020年11月に日中韓やASEANなど15カ国が署名した。ASEAN10カ国と他の5カ国のそれぞれ過半が手続きを終えると60日後に発効する。年内にも発効する可能性がある。参加国のGDPと人口の合計は世界の3割を占める。工業製品を中心に参加国全体で91%の品目で関税を段階的になくす。

CO2の貯留・再利用で国際連携 アジアCCUS設立

二酸化炭素(CO2)を回収して地下・海底に貯留・再利用する「CCUS」と呼ばれる技術の実用化を目指し、日本、米国、豪州、ASEAN(10カ国)の計13カ国連携による「アジアCCUSネットワーク」が6月22日設立された。
これは脱炭素化に向け、アジア全域でのCO2回収・利用・貯留(CCUS)活用に向けた知見の共有や事業環境整備を目指す国際的な産学官プラットフォームで、13カ国のほか、100社・機関を超える企業・研究機関・国際機関等が参画、連携して研究開発に取り組み、CO2貯留技術の普及等を目指す。

ASEANの脱炭素に1兆円1兆円支援 経産相

日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)のエネルギー相特別会合が6月21日、オンライン形式で開かれた。この中で梶山弘志経済産業相は、100億ドル(約1兆1,000億円)の投資枠を使った金融支援などで各国の段階的な脱炭素化を後押しする方針を示し、共同声明に歓迎の意向が記された。
支援の対象は再生可能エネルギー導入や省エネ技術のほか、二酸化炭素(CO2)を多く排出する石炭火力発電から排出量が半分程度になる液化天然ガス(LNG)火力発電への転換を想定する。

5月訪日外国人1万人 19年比99.6%減 いぜん記録的落ち込み

観光庁は6月15日、5月に日本を訪れた外国人客は新型コロナウイルス感染症流行前の2019年5月比99.6%減の1万人にとどまったとの推計を発表した。2020年5月のわずか1,663人より多いが、いぜんとして記録的な落ち込みが続いている。2021年4月に比べると900人少なかった。感染力の強いコロナ変異株の流行も加わって、入・出国に制限があって国をまたぐ往来が難しいだけに当面、現在の状況が改善される見通しは薄いようだ。

英国など9カ国が参加表明 大阪万博 計43カ国に

井上信治万博担当相は6月15日、新たに9カ国が2025年の大阪・関西万博に参加を正式表明したことを明らかにした。カンボジア、キューバ、クウェート、コモロ、中央アフリカ、メキシコ、モザンビーク、ルーマニアに、6月11日の日英首脳会談で伝えられた英国を合わせた9カ国。この結果、参加表明は累計で43カ国・4国際機関となった。

ベトナムなど東南ア5カ国へワクチン提供を発表 茂木外相

茂木敏充外相は6月15日、新型コロナウイルスワクチンをベトナム、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシアの5カ国に提供すると発表した。ベトナムには16日におよそ100万回分を届ける、英アストラゼネカ社製ワクチンが対象で、他の4カ国には7月上旬から送る。

対中国で「共通の価値観」掲げG7結束 首脳宣言採択 

英国・コーンウォールで3日間の日程で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)は6月13日、首脳宣言を採択して閉幕した。取りまとめは議長国の英国ジョンソン首相だったが、周到な事前の準備などで米バイデン政権が主導した形で、G7が結束。米トランプ政権時代の不協和音が消えるにとともに、中国の影響力増大に対抗する合意を打ち出し、G7の復活を印象付けた。イタリアは中国が掲げる「一帯一路」構想に参画メンバーとなっているほか、ドイツは中国が最大の貿易国となっているなど、G7内でも対中姿勢で温度差はあるが、サミットでは足並みをそろえた。
宣言では「台湾海峡の平和と安定の重要性」について初めて明記。中国の人権問題や覇権主義的な行動に懸念を示し、「中国に人権を尊重するよう求める」と中国を名指しでけん制。中国が海洋進出を強める東シナ・南シナ海についても「懸念」を示し、「現状を変更し、緊張を高めるあらゆる一方的な試みにも強く反対する」とした。
中国が途上国などで進める巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗し、より透明性が高く、環境に配慮した途上国向けのインフラ支援の枠組みの創設などを盛り込んだ。環境問題ではG7全体の温室効果ガス排出を「2030年までに2010年比で半減させる」と明記。二酸化炭素(CO2)の削減措置が取られていない石炭火力発電については「政府による新規の直接支援を2021年末までにやめる」と表明した。
このほか、東京オリンピック・パラリンピックについて、「新型コロナウイルスに打ち勝つ世界の団結の象徴として、安全・安心な形で開催することを改めて支持」すると盛り込まれた。新型コロナウイルスの途上国への提供は「来年(2022年)にかけてワクチン10億回分に相当する支援」でまとまった。

中国・長沙市の第3回ジャパンブランド展に2.55万人来場

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、6月5~6日の2日間、中国湖南省長沙市の平和堂五一広場店で「第3回長沙ジャパンブランド展」が開催された。このイベントは平和堂(中国)とJTB上海が主催し、在中国日本大使館、ジェトロ、日本政府観光局(JNTO)広州事務所などが後援した。
酒造メーカーのキリンビール、鷹正宗、医薬品の久光製薬、文具のトンボ鉛筆、三菱鉛筆など、自治体から滋賀県、長崎県、沖縄県など合計17社・団体が出展。会場では阿波踊り、三線の演奏、着物の着付けなどの文化交流イベントも行われた。
2日間で約2万5,500人の来場があり、2日間で600人以上がブースを訪れた。とくに滋賀県産の日本酒はほぼ完売となるほど人気だった。
JTB上海はジャパンブランド展を中国各都市で実施運営し、現地消費者と日本製品とのマッチングの機会を創出している。2021年は武漢市、寧波市、青島市などでの開催を予定している。