観光庁は6月15日、5月に日本を訪れた外国人客は新型コロナウイルス感染症流行前の2019年5月比99.6%減の1万人にとどまったとの推計を発表した。2020年5月のわずか1,663人より多いが、いぜんとして記録的な落ち込みが続いている。2021年4月に比べると900人少なかった。感染力の強いコロナ変異株の流行も加わって、入・出国に制限があって国をまたぐ往来が難しいだけに当面、現在の状況が改善される見通しは薄いようだ。
第9回太平洋・島サミット 7/2にテレビ会議形式で開催
日本外務省は6月15日、第9回太平洋・島サミットを7月2日にテレビ会議形式で開催すると発表した。新型コロナウイルス感染症対策や気候変動などをテーマに議論する。島サミットは、日本と太平洋の島嶼(とうしょ)国が1997年から3年に1回開催している。
英国など9カ国が参加表明 大阪万博 計43カ国に
井上信治万博担当相は6月15日、新たに9カ国が2025年の大阪・関西万博に参加を正式表明したことを明らかにした。カンボジア、キューバ、クウェート、コモロ、中央アフリカ、メキシコ、モザンビーク、ルーマニアに、6月11日の日英首脳会談で伝えられた英国を合わせた9カ国。この結果、参加表明は累計で43カ国・4国際機関となった。
ベトナムなど東南ア5カ国へワクチン提供を発表 茂木外相
茂木敏充外相は6月15日、新型コロナウイルスワクチンをベトナム、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシアの5カ国に提供すると発表した。ベトナムには16日におよそ100万回分を届ける、英アストラゼネカ社製ワクチンが対象で、他の4カ国には7月上旬から送る。
対中国で「共通の価値観」掲げG7結束 首脳宣言採択
英国・コーンウォールで3日間の日程で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)は6月13日、首脳宣言を採択して閉幕した。取りまとめは議長国の英国ジョンソン首相だったが、周到な事前の準備などで米バイデン政権が主導した形で、G7が結束。米トランプ政権時代の不協和音が消えるにとともに、中国の影響力増大に対抗する合意を打ち出し、G7の復活を印象付けた。イタリアは中国が掲げる「一帯一路」構想に参画メンバーとなっているほか、ドイツは中国が最大の貿易国となっているなど、G7内でも対中姿勢で温度差はあるが、サミットでは足並みをそろえた。
宣言では「台湾海峡の平和と安定の重要性」について初めて明記。中国の人権問題や覇権主義的な行動に懸念を示し、「中国に人権を尊重するよう求める」と中国を名指しでけん制。中国が海洋進出を強める東シナ・南シナ海についても「懸念」を示し、「現状を変更し、緊張を高めるあらゆる一方的な試みにも強く反対する」とした。
中国が途上国などで進める巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗し、より透明性が高く、環境に配慮した途上国向けのインフラ支援の枠組みの創設などを盛り込んだ。環境問題ではG7全体の温室効果ガス排出を「2030年までに2010年比で半減させる」と明記。二酸化炭素(CO2)の削減措置が取られていない石炭火力発電については「政府による新規の直接支援を2021年末までにやめる」と表明した。
このほか、東京オリンピック・パラリンピックについて、「新型コロナウイルスに打ち勝つ世界の団結の象徴として、安全・安心な形で開催することを改めて支持」すると盛り込まれた。新型コロナウイルスの途上国への提供は「来年(2022年)にかけてワクチン10億回分に相当する支援」でまとまった。
中国・長沙市の第3回ジャパンブランド展に2.55万人来場
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、6月5~6日の2日間、中国湖南省長沙市の平和堂五一広場店で「第3回長沙ジャパンブランド展」が開催された。このイベントは平和堂(中国)とJTB上海が主催し、在中国日本大使館、ジェトロ、日本政府観光局(JNTO)広州事務所などが後援した。
酒造メーカーのキリンビール、鷹正宗、医薬品の久光製薬、文具のトンボ鉛筆、三菱鉛筆など、自治体から滋賀県、長崎県、沖縄県など合計17社・団体が出展。会場では阿波踊り、三線の演奏、着物の着付けなどの文化交流イベントも行われた。
2日間で約2万5,500人の来場があり、2日間で600人以上がブースを訪れた。とくに滋賀県産の日本酒はほぼ完売となるほど人気だった。
JTB上海はジャパンブランド展を中国各都市で実施運営し、現地消費者と日本製品とのマッチングの機会を創出している。2021年は武漢市、寧波市、青島市などでの開催を予定している。
日本 コロナ国際支援に4300億円拠出 首相がG7で表明
菅首相は6月12日(日本時間6月13日未明)の主要7カ国首脳会議(G7サミット)の討議の中で、途上国への新型コロナウイルス支援について、物資の提供やワクチン供与などで総額39億ドル(約4,300億円)を拠出していくと述べた。
首相は「ワクチンの普及は多国間主義を基本とし、途上国にワクチンを公平かつ迅速に届ける必要がある」と指摘。ワクチンを途上国などに配る国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」や、2国間供与を通じて支援を広げていると語った。
G7サミット開幕 ワクチン10億回提供 途上国支援加速
主要7カ国首脳会議(G7サミット)が6月11日、英南西部コーンウォールで開幕した。2年ぶりとなる対面式の会議で、影響力を拡大する中国やロシアなど覇権主義的あるいは権威主義的な国家に対し、民主主義国家の結束を強化する。会期中、格差のない社会づくりへG7として途上国などに対して、新型コロナウイルスのワクチンを少なくとも10億回分提供することで合意する。
東京五輪の観客判断は6月末が最終決定期限 IOC
国際オリンピック委員会(IOC)は6月9日、東京オリンピックの観客上限について6月末が決定期限との見解を示した。日本側は緊急事態宣言の期限となる6月20日以降に判断する見通しを示しており、最終決断の時期が絞られた。
また、選手らに向けて新型コロナウイルス対策をまとめた「プレーブック(規則集)」について、来週にも最終版となる第3版を公表すると明らかにした。
海外在留邦人初めて減少135万人余に コロナで出国控え・帰国増
外務省は6月7日、海外在留邦人実態調査の結果を公表した。2020年10月1日現在、前年比5万2,632人(3.7%)減の135万7,724人だった。統計が残る1989年以来、初めて減少した。新型コロナウイルスの影響で出国を手控えたり、帰国者が増えたためとみられる。