嚥下食・咀嚼困難者食・介護予防食年率3~8%成長と推計

矢野経済研究所が行った日本国内の嚥下食・咀嚼困難者食・介護予防食に関する調査によると、これらの市場は今後年率3~8%成長すると予測している。また、2018年度のこれら全体の市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年度比8.4%増の734億6,000万円と推計している。
2018年度市場の内訳は嚥下食は同6.8%増の284億5,000万円、咀嚼困難者食は同11.6%増の222億5,000万円、介護予防食は同7.3%増の227億6,000万円。入院・入所者数の増加や調理現場の人手不足で、嚥下食・咀嚼困難者食市場は成長が見込まれる。日本国内には要介護認定を受けた高齢者がおよそ640万人おり、しかも年々増加傾向にあるだけに、とりわけ咀嚼困難者食の需要は増え、その市場規模はおよそ400億円まで成長していくことは十分可能とみている。
今後の市場展望について、嚥下食は年率3~4%、咀嚼困難者食は同7~8%、介護予防食は同3%前後のそれぞれ伸びを予測している。

ファーストR 全国の医療機関にガウン・マスク計500万点提供

ファーストリテイリングは5月25日、医療機関や介護施設等を対象にアイソレーションガウン100万点、マスク400万点、並びにユニクロの機能性肌着「エアリズム」を無償提供すると発表した。6月上旬以降、順次提供していく。
京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長の新型コロナウイルス感染症対策についての社会への様々な提言に呼応、支援を決めた。

積水化学 介護向け離床・起き上がり検知・解析センサーを発売

積水化学工業(本社:大阪市北区)は5月20日、介護向け離床・起き上がり検知・解析センサー「アンシエル(TM)(ANSIEL)」を5月25日より発売すると発表した。
アンシエルはベッドのマットの下に設置することで、ベッド上の要介護者の動きを検知・解析し、介護者のスマホやPCなどの端末に通知する介護支援商品。内蔵された独自開発の高精度圧電センサーで、ベッド上の要介護者の体動・起始・起上を含む7項目の動き・状態を検知・解析し、介護者に5秒程度で通知する。
価格は1台8万円(税抜き)。介護・医療施設への販売活動に注力し、2022年度に10億円の売上高を目指す。

コロナ禍で解雇や雇い止め1万人超え、直近で急増 厚労省

厚生労働省が、ハローワークなどを通じて新型コロナウイルスの影響による経営悪化を理由に、勤務先を解雇されたり雇い止めに遭った人の数を調べたところ、今年1月末から5月21日までのおよそ4カ月間に見込みも含めて、全国で1万835人に上ったことが分かった。この数は3月835人、4月2,654人、5月7,064人(21日時点)と月を追って急増、直近の5月はすでに前月の2倍以上に上っている。
産業別の内訳は公表されていないが、訪日外国人の激減で深刻なダメージを受けている宿泊業や観光業、それに休業要請を受けていた飲食業でも該当者が多いという。

親子同時「孤立死」3年間で14件・28人「8050問題」の一端

毎日新聞が行った全国47都道府県の警察への調査によると、親子で「孤立死」したとみられるケースが、2016~2018年も3年間で少なくとも14件あり、28人が亡くなっていたことが分かった。これは高齢の親が、無職やひきこもりの中年の子と同居するうち、社会とのつながりが薄れ、生活が困窮するなどして、親子で「孤立死」したもの。
親が80代、子が50代ほどのこうした世帯の抱える問題は「8050問題」と呼ばれるが、親子の死亡事案の一端が判明したのは初めてとみられる。47都道府県警のうち回答のあったのは15府県警で、実態は確実にもっと多いはずで、行政による実態調査が求められる。

SOMPOとパラマウントBが業務提携 健康・介護でリアルデータ活用

SOMPOホールディングス(本社:東京都新宿区)とパラマウントベッドホールディングス(本社:東京都江東区)は5月14日、リアルデータ活用のためのプラットフォーム構築を起点に、健康で豊かな生活の実現に向け業務提携することで合意したと発表した。
国内No.1の介護居室数を誇るSOMPOホールディングスの大量の介護リアルデータと、医療・介護用ベッド国内トップシェアのパラマウントベッドホールディングスが、展開する睡眠計測センサー(眠りSCAN)を掛け合わせ、国内随一の大量・良質なリアルデータが集約されたプラットフォーム構築を目指していく。

パラマウントベッド 映像で確認・記録できる見守りシステム発売

パラマウントベッド(本社:東京都江東区)は5月7日、医療・高齢者施設で入居者の見守りや生活状態の把握等の目的で利用されている睡眠計測センサーと連動して、入居者の状況を映像で確認・記録できる見守りセンサー「眠りSCAN」と連動するカメラシステム「眠りSCAN eye」を発売すると発表した。
眠りSCANは、シート状のセンサーをマットレスの下に敷き込むだけで、身体には何も装着することなく、ベッド利用者の呼吸数や心拍数、睡眠状態、覚醒、起き上がり、離床動作などを遠隔でリアルタイムに把握できるセンサー。2019年末時点で約3万8,000台の納入実績がある。眠りSCAN eyeは、入居者の映像を遠隔のパソコン端末や携帯端末で確認できるほか、眠りSCANで設定した状態の変化を検知した際の通知に合わせて映像を表示することができるシステム。

大阪・堺市が福祉施設にタブレット端末を貸与

大阪府堺市は、福祉施設の入居者とその家族が気軽にテレビ電話で会話できるようにと、施設にタブレット端末を貸し出している。これは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、多くの福祉施設が入所者と家族との面会を制限していることに対応したもの。
堺市内に合わせて91ある介護施設や障がい支援施設、児童養護施設などを対象に、5月末まで希望を募って2台ずつ無料で4カ月程度貸し出すという。

日本の子ども1,512万人 昨年比20万人減 過去最少を更新

総務省の推計によると、4月1日現在の日本の15歳未満の子どもの数は男子774万人、女子738万人の合わせて1,512万人となっている。これはこれまでで最も少なかった2019年に比べ20万人減少し、過去最少を更新した。減少は1982年から39年連続。
この結果、総人口に占める子どもの割合も、2019年に比べ0.1ポイント低下し、12%と過去最低を更新。1975年から46年連続の低下となり、本腰を入れた対策の必要性が指摘されながら、「少子化」に全く歯止めがかからないことが明らかになった。

技能実習生らの「転職」可能に 新型コロナ禍で特別措置

出入国在留管理庁は4月17日、新型コロナウイルスの感染拡大で解雇された外国人技能実習生らが引き続き日本で働けるよう「転職」を認めたうえで、関係省庁と連携し支援すると発表した。技能実習生は通常、あらかじめ決められた業種でしか活動できないと定められているが、今回の新型コロナ禍下の緊急事態を考慮し、特別措置が取られることになった。新型コロナ終息後、本来の実習に戻れるようにしたい考え。
技能実習生だけでなく、解雇された「特定技能」の外国人や、内定が取り消された留学生も対象とする。雇用先が決まれば在留資格を「特定活動」に変更し、最大1年就労できる。変更申請の受け付けは4月20日から。就労できるのは農業や介護、建設など14業種で、雇用する側は日本人と同等以上の報酬額を支払う必要がある。