関西全産業の景況5期連続改善 製造業けん引 日銀短観

日銀大阪支店が10月1日公表した「短観」によると、関西の全産業の景気判断は製造業がけん引する形で、5期連続で改善した。日銀の短観は、国内の企業に3カ月ごとに景気の現状を聞く調査で、景気が「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を差し引いた指数で景気を判断する。今回の調査は、日銀大阪支店が関西のおよそ1,400社を対象に8月下旬から9月末にかけて行った。
景気判断を示す指数は「全産業」でマイナス1となり、6月の前回調査を4ポイント上回った。これで5期連続の改善となる。このうち製造業はプラス3で、2019年6月以来、9期ぶりにプラスの水準まで回復した。電気自動車や半導体関連を中心に景況感が改善したため。また、非製造業はマイナス6と、3ポイント改善している。ただ、新型コロナウイルス禍でとくに大きな打撃を受けている「宿泊・飲食サービス」はマイナス66と、前回からさらに2ポイント悪化している。

大阪府 第6波に備え500床の施設整備,公開 1,000床確保へ

大阪府は10月1日、新型コロナウイルスの第6波に備えて、大阪市住之江区の展示場「インテックス大阪」に整備を進めている患者の受け入れ施設1,000床のうち、整備が完了した500床の内部を報道陣に公開した。整備するのは軽症と無症状の患者用の800床と、中等症患者用の200床。公開したのは軽症と無症状の患者用の500床。
施設の中はベッドごとに仕切られていて、テレビが1人に1台設置されている。親子で感染した場合、一緒に入所できるようベッドが2つ並べられているスペースもある。シャワーは共用で、病状が悪化した患者に酸素投与を行う設備もある。同施設には医師や看護師が常駐する。府は10月中に、中等症患者用の200床を含む残りの500床を整備する計画。
大阪府は当面はこの施設を使わず、宿泊療養施設の使用率が50%を超えた時点で、軽症と無症状の患者の受け入れる準備を始めるという。

万博「大阪パビリオン」でiPS細胞ミニ臓器の展示検討

大阪府と大阪市、経済界が参加して9月30日、2025年に開催される「大阪・関西万博」へ出展する「大阪パビリオン」について協議が行われ、基本計画案が取りまとめられた。これによると、健康や医療の最先端技術をテーマに、体験型や参加型の展示を中心に据える。建設費用は70億~80億円、展示に関わる費用として60億円程度を見込むことになった。
具体的な展示内容について、大阪府の吉村知事は「iPS細胞を使ったミニ臓器の展示ができないか」と提案し、医療の専門家を中心に展示に盛り込めるよう検討を進めることになった。

大阪府市 IRをMGMに正式決定 年間売上高5,400億円見込む

大阪府と大阪市は9月28日、誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)で、米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同グループを正式に選定したと発表した。同グループの提案では開業時に計2,500室規模となる3つのホテルを備え、年間売上高約5,400億円を見込む。府・市は同グループとともに2022年4月までに整備計画をまとめ国に提出する。
同グループは2025年の大阪・関西万博の会場にもなる人工島・夢洲(ゆめしま)に初期投資額約1兆800億円で、2020年代後半の開業を計画している。同日公表された提案内容によると、年間の来場者数は国内外から約2,050万人を見込む。開業時にカジノ施設、ホテルに加えて、展示面積が2万㎡の展示場と6,000人以上を収容できる国際会議場ができる。
ギャンブル依存症対策についてはMGMの知見を踏まえ、厳格な入場管理や24時間利用できる相談体制を構築する。
これまでにIRの誘致を表明しているのは大阪府・市と和歌山県、長崎県の3地域。今回の府・市の決定で誘致を目指す3地域の事業者が出そろった。

パナソニックの早期退職募集に1,000人超の応募

パナソニックが9月末に国内で実施する早期退職募集による退職者が1,000人を上回る規模に上ることが9月24日分かった。対象者は勤続10年以上の社員で、割増退職金を支給する。2022年4月の持ち株会社制移行に伴う組織再編の一環で、人材の新陳代謝を促して組織を活性化させ、収益力を向上させるのが狙い。

関経連 外国企業の万博参加促す税優遇措置の導入要望へ

関西経済連合会(関経連)は、2025年の「大阪・関西万博」への外国の企業や団体の参加を後押ししようと、来年度の税制改正に向けて法人税や所得税などを優遇する措置を導入するよう要望を取りまとめた。今後、政府・与党に税制措置の導入を働きかけていく方針。
関経連は大阪・関西万博について、狙いとする「従来の枠に捉われないアイデアや技術を実証・実装する『未来社会の実験場』の実現には、世界各国からの積極的な参加が必要で、税制優遇による後押しが重要だ」としている。

22年春のセンバツ高校野球 3/18に開幕決まる 32校が出場

甲子園球場で開かれる2022年のセンバツ高校野球は3月18日に開幕し、2日間の休養日を含む13日間の日程で行われることが決まった。出場校は一般選考が28校、21世紀枠が3校、神宮大会枠が1校の合わせて32校。出場校を決める選考委員会は2022年1月28日に開かれ、3月11日に組み合わせ抽選会が行われる。

「あべのハルカス近鉄本店」に北海道のアンテナショップ

コロナ禍で百貨店での物産展の開催が難しくなる中、9月15日、大阪・阿倍野区の「あべのハルカス近鉄本店」に関西で初めてとなる北海道公式のアンテナショップがオープンした。店内には、北海道から直送された海鮮や乳製品、名物のお菓子などおよそ700品が販売されている。
同百貨店では、コロナの感染拡大を受け、入場者が通常の半数を超えた場合、館内への入場を制限することにしており、このアンテナショップでも混雑が起こらないよう対応する方針。物産展と違い、年間を通して開店しているため、旬のものを旬の時期に提供できるのが強みだ。

大阪府 宿泊療養施設に診療スペース整備 重症化防止へ

大阪府は宿泊療養施設の一部に医師や看護師が常駐する診療スペースを整備する方針を決め、9月21日から運営する医療機関を公募することになった。次のコロナ感染の第6波で、感染力の強い変異株に見舞われた場合、病床のひっ迫を抑えるには、ホテルなどでの宿泊療養者の重症化を防ぐ手立てが必要と判断、整備を決めたもの。
具体的には診察室や点滴室などを設けて、日中は医師や看護師を常駐させ、軽症患者などに使用できる「抗体カクテル療法」や解熱剤の処方などを行う。すべての宿泊療養施設でこうした体制を整えるのは難しいことから、まずは数カ所の施設で整備を進める方針。
大阪府は、軽症や無症状で入院の必要のない感染者を31の宿泊療養施設で受け入れていて、感染の第5波で宿泊療養者は一時、3,500人以上に上った。

「空飛ぶクルマ」実現へ 大阪府・市がSkyDriveと連携協定

大阪府と大阪市は9月14日、ドローンの技術などを使った「空飛ぶクルマ」の実現につなげようと、機体の開発を担っている民間企業、SkyDrive(本社所在地:東京都)と協力して実証実験などに取り組む連携協定を締結したと発表した。
空飛ぶクルマは、人やモノを乗せて電動で飛行できる機体で、交通渋滞の緩和や物流の効率化などにつながると期待されている。2021年中に、大阪・南港で大型のドローンを飛ばして風の影響などを調べるほか、仕組みや活用方法などを説明するセミナーを開くことにしている。大阪府の吉村知事は、「2025年の大阪・関西万博までに実現させたいので、2022年にも大阪で試験飛行をしてほしい」と話している。