宇都宮LRTが運賃申請, 初乗り150円 次世代型路面電車 8/26開業

8月26日に開業を予定している栃木県の次世代型路面電車(LRT)、芳賀・宇都宮LRT(宇都宮LRT)の運行会社、宇都宮ライトレールが関東運輸局に運賃の上限額を認可申請した。認可されると初乗り150円から、乗車距離に応じて50円刻みで加算され最大400円となる。6歳以上12歳未満の子供は半額で、10円未満は切り上げる。
運賃は、同一区間をほぼ並走するバスに比べて安い。所要時間はダイヤ上ではLRTとほぼ同じだが、道路の渋滞状況次第で、軌道を走るLRTは定時走行が見込まれ軍配が上がる。優位性を確保できれば通勤通学者がLRTにシフトする可能性もある。

福岡市 脱炭素へ燃料電池トラックで学校給食配送 全国初

福岡市は7月5日、脱炭素への取り組みの一環として、水素燃料電池(FC)を搭載した学校給食配送トラックを導入すると発表した。このFCトラックは10分間の水素充填で、約260km走行できるという。FCトラックの積載量は2.5トン。まず市内の中学校などの給食配送向けに1台投入。2023年度中に3台体制に増やす。給食配送にFCトラックを用いるのは全国初とみられる。6日から配送業務を開始する予定。
FCトラックはトヨタ自動車やいすゞ自動車などが参画する「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ」(CJPT)が開発した。

鹿島 環境配慮型コンクリートの採用で施工時のCO2排出量削減

鹿島(本社:東京都港区)は7月4日、グループ社員用の実務体験型研修施設「鹿島テクニカルセンター」(所在地:横浜市鶴見区)の建設にあたり、自社開発した2種類の環境配慮型コンクリートを採用し、建設時におけるCO2排出量を約31トン削減したと発表した。これは高さ20mの杉の木2,200本が1年間に吸収する量に相当するという。
採用したコンクリートは、戻りコンを原料として再利用した「エコクリート(R)R3」(アールスリー)と、製造時にCO2を吸収・固定する「CO2-SUICOM(R)」(シーオーツースイコム)。今回それぞれのコンクリートを新たな用途に採用したことで、環境配慮型コンクリートの実用化の幅が広がった。

三菱ケミカルG 沖縄市と連携し生分解性樹脂使用の紙コップ

三菱ケミカルグループは7月3日、沖縄市と連携し、同社グループの植物由来の生分解性樹脂「BioPBS(TM)」を使用した紙コップを起点とする資源循環型システムの実証実験を行うと発表した。
沖縄市は2023年8月25日より開催される「FIBAバスケットボール ワールドカップ2023」の開催地。大会PRを目的に沖縄市が製作した4万個のオリジナルデザインの紙コップの内側には、耐水性付与のためのBioPBS(TM)が使われている。
使用済みの紙コップは、琉球管理産業が回収・運搬し、共和化工と琉球大学が同大学内の堆肥化施設で牛糞と一緒に堆肥化を行う。堆肥は沖縄市内の緑化活動などに用いる計画で、この取り組みを通して沖縄市における資源循環型システムの実証を行う。

三井物産 マレーシアでペトロナス,仏トタールとCCS事業で連携

三井物産(本社:東京都千代田区)は6月27日、マレーシアの国営石油会社ペトロナスおよびフランスの総合エネルギー会社トタール・エナジーズのCCS事業会社、トタール・エナジーズ・カーボン・ニュートラリティ・ベンチャーズとの間で、マレーシアでのCO2貯留サイトの共同開発に関する契約を締結したと発表した。アジア太平洋地域でのCO2の回収および貯留(以下、CCS)、輸送を含むバリューチェーンを構築する。2030年ごろまでに同事業を開始することを目指す。日本、韓国、台湾の製鉄会社や製造業から排出されるCO2の受け入れを想定している。

シスメックス 微量の血液から脳内Aβの蓄積状態を測定する検査試薬

シスメックス(本社:神戸市)は6月22日、微量の血液からアルツハイマー病の原因となる脳内アミロイドベータ(Aβ)を測定する検査試薬を、6月から日本で発売すると発表した。この試薬は血液中のAβペプチドの比率を測定することで、アルツハイマー病の特徴の一つである脳内Aβの蓄積状態の把握を補助するもの。
日本における認知症患者数は、2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人に相当する、675万〜730万人に達すると推計され、大きな社会課題となっている。

出光興産 次世代営農型太陽光発電 実証事業 営農・発電の両立追求

出光興産(本社:東京都千代田区)は6月21日、千葉県木更津市の圃場(水田)で、2023年6月に農業と再生可能エネルギー発電を両立する次世代営農型太陽光発電の実証を開始したと発表した。実証機関は2025年9月まで。発電出力は45KW。
この実証には太陽光を自動追尾して可動する架台と両面受光型の太陽光パネル(両面モジュール)を導入。太陽の動きに合わせて自動的に両面モジュールの向きを調整することにより、農作期にはパネル下で栽培する農作物への太陽光照射を優先する。これにより従来の営農型発電に比べ、「営農」と「発電」の両立を一層追求した事業モデル構築を目指す。

モスフードサービス バイオマスプラレジン用コメを本格生産へ

モスバーガーを展開するモスフードサービス(本社:東京都品川区)は6月20日、CO2削減の取り組みの一環として、国産非食用米由来のバイオマスプラスチックレジン用コメを熊本で本格的に生産開始すると発表した。
同社は2022年8月から、バイオマスプラスチック「ライスレジン(R)」を25%配合したテイクアウト用スプーン、フォークを導入。今回同用途で使用する非食用米の生産を、同社が出資する農地所有適格法人、モスファーム熊本(所在地:熊本県八代市)で本格的に開始することになった。今季の生産量は40トン程度の予定。これはモスバーガーが全店で使用する環境対応スプーン、フォーク1年分を賄うことができる量という。

JAPEXなどマレーシアCCSスタディと連携したバリューチェーン連携

石油資源開発(本社:東京都千代田区、以下、JAPEX)、日揮ホールディングス(本社:横浜市西区)、川崎汽船(本社:東京都千代田区)、JFEスチール(本社:東京都千代田区)は6月19日、マレーシア国営エネルギー会社、Petroliam Nasional Berhad(以下、ペトロナス)と進めているマレーシアにおけるCCS(二酸化炭素の回収・貯留)に係る共同スタディと連携した、日本を起点とするCCSバリューチェーン構築を目指す共同検討を実施することで合意し、既述4社による覚書を締結したと発表した。
4社は今後、JFEスチールの日本国内の製鉄所で排出するCO2の分離・回収、およびマレーシアまでの液化CO2の海上輸送と受け入れまでのCCSバリューチェーン構築について、必要な設備やコストなどを含めた検討を行っていく。

ニデック ブラジルEmbraerと空飛ぶクルマ部品事業で合弁

ニデック(本社:京都市南区、旧日本電産)は6月18日、米国子会社のニデックモータ(以下、NMC)がブラジル航空機メーカーのEmbraer S.A.(エンブラエル、以下、Embraer)と空飛ぶクルマの部品事業を手掛ける合弁会社を設立することで契約を締結したと発表した。
2025年大阪・関西万博を機に、大きな成長が期待される空飛ぶクルマの部品事業を収益の柱の一つに育てる。同合弁会社は6月19〜25日に開催される第54回パリ航空ショーで、空飛ぶクルマと呼ばれる電動垂直離着陸航空機(以下、eVTOL:イーブイトール)向けに製品およびサービスを提供し、Urban Air Mobility(以下、UAM)市場へ新規参入することを発表する。
なお、同新会社の電気駆動システムの最初の販売先はEmbraerの子会社、Eve Air Mobilityとなる。