富士フィルム(本社:東京都港区)と神戸大学は4月4日、AI技術を活用して腹部の造影CT画像から膵臓がんが疑われる所見の検出を支援する技術を共同で開発したと発表した。この技術により、医師の負担を軽減し、より精度の高い診断につながることが期待される。膵臓がんは、初期には自覚症状が出にくく、早期発見が難しい病気。腹痛や体重減少などの自覚症状が現れた段階ではでは、周辺組織への浸潤を伴う進行がんとなっているケースが多く、がんと診断されてから5年後の相対生存率は12.5%と、がんの中で最も低い。
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慶大 心停止患者に水素加えた酸素投与で救命率向上
慶応大学の研究グループは、心臓が停止した後、救急病院に搬送された患者に水素を加えた酸素を投与して救命措置を行うと、通常の酸素を投与した場合より救命率が高まったとする臨床試験の結果を発表した。今後治療の実用化を目指すとしている。
同グループは各地の15の病院で2021年9月までの4年半余りの間に、心停止で搬送され、意識が回復していない患者73人を対象に、2%の水素を加えた酸素を投与して救命措置行った場合の効果を調べる臨床試験を実施した。その結果、90日後の生存率は通常の酸素投与を受けた患者では61%だったのに対し、水素を含む酸素投与を受けた患者では85%だったという。また、後遺症なく回復した人の割合も、水素を含む酸素投与受けts患者では46%と、通常の酸素投与を受けた患者の21%より大幅に高かったとしている。
総務省消防庁の統計によると、心臓の病気などで心臓が停止し救急の医療機関に搬送される患者は、国内で年間およそ8万人に上る。意識が戻らないまま亡くなったり、助かっても重い後遺症が残るケースが数多くみられる。
三菱ケミカルG 福井県に完全人工光型植物工場
三菱ケミカルグループは3月23日、三菱ケミカルアクワ・ソリューションズ(以下、MCAS)の完全人工光型植物工場「AN(アン)」が販売開始後初めて、福井県おおい町に建設予定の植物工場に導入され、2023年10月より栽培を開始すると発表した。
ANは、MCASがクレオテクノロジー(本社:埼玉県比企郡)と共同開発した完全人工光型植物工場システム。定植した苗が栽培室内を自動で循環しながら成長し、作業者が栽培市内に入らずに収穫まで行うことができるため、菌や異物の混入リスクを低減する。
また、栽培室内の光や気流を制御することで業務・加工用にも対応可能な高品質で丈夫なフリルレタスを、従来の同社完全人工光型植物工場と比較して約3倍にあたる約300g/株以上を播種後45日程度で収穫できるという。今回のAN導入の新植物工場の延床面積は約3,700㎡。