JERA 脱炭素へ三井物産から混焼実証実験用アンモニアを調達

東京電力ホールディングスと中部電力が折半出資するJERA(本社:東京都中央区)は6月16日、火力発電所の脱炭素に向け、三井物産との間で碧南火力発電所(所在地:愛知県碧南市)4号機で行うアンモニア混焼混焼実験用の燃料アンモニアの売買契約を締結したと発表した。
JERAおよびIHIは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受け、碧南火力発電所で2021年度から、燃料アンモニアの大規模な混焼技術の確立に向けた実証実験に取り組んでいる。今回契約したのは同発電所4号機の2023年度末から開始する大規模混焼(熱量比20%)に向け、燃料となるアンモニアを調達したもの。

脳動脈瘤の発生にがん遺伝子の変異が関与 既存薬で治療法に道

理化学研究所や東京大学などは、脳の動脈が膨らんでこぶ状になる「脳動脈瘤(りゅう)」の発生に、がん関連遺伝子の変異が関わっていることを突き止めたと発表した。変異に伴う脳動脈瘤を腎臓がんの既存治療薬で抑えられることを動物実験で確認した。研究成果は6月15日、米科学誌「サイエンス」の姉妹誌に掲載された。
今回の成果により、開頭手術か血管内カテーテル治療しかない脳動脈瘤治療の現状に、薬物療法という第三の選択肢の可能性を開くことが期待される。

脱炭素へ次世代航空交通システムの試験飛行 米シアトルー成田で

国土交通省によると、飛行中のパイロットが地上の管制官などと相互にやり取りして、最適な経路を決め飛行する次世代の航空交通システムの試験飛行が初めて行われ6月12日、このシステム米国・シアトルを出発した便が成田に到着した。この試験飛行は11日から6日間かけて実施されている。
国交省によると、通常、飛行中の航空機が気象条件の変化などで経路を変更する場合、地上の管制官などの指示通り飛行するが、現場のパイロットが実際に遭遇している風速や風向きなどが加味されず、燃費や二酸化炭素(CO2)の排出量などで最適な経路を選べないという。今回の試験飛行はこうした現状を踏まえたもの。

経産省 脱炭素へCO2地下貯留 国内外の7事業を重点支援

経済産業省と独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は6月13日、火力発電所などから出る二酸化炭素(CO2)を回収して地下に貯留する技術について、国内外の計7プロジェクトを重点的に支援すると発表した。支援する事業は「CCS」と呼ばれ、国が掲げる2050年のカーボンニュートラル達成に必要とされる。
支援対象プロジェクトは、北海道電力、出光興産、ENEOSなどが進める国内5事業、マレーシア、オセアニア地域での海外輸送の2事業が選定された。政府は2030年までに年600万〜1,200万トンのCO2貯留を目標に掲げており、これら7事業の実現で年1,300万トン分が確保できるとみている。

手塚治虫「ブラックジャック」の新作をAIで制作, AIと人間の共創

漫画家、手塚治虫(1928〜1989年)の、今年誕生50周年の代表作「ブラックジャック」の新作が、人工知能(AI)で制作されることなった。6月12日、慶應義塾大学の栗原聡教授や、手塚氏の長男で手塚プロダクション取締役の手塚眞さんらが参加する「TEZUKA2023」プロジェクトが発表した。
200話以上ある「ブラックジャック」を構造分析してデータ化。これに最近のテキスト・画像生成AIの急速な進化を取り入れ、より高いレベルで「AIと人間の共創」の可能性を検証する。新作は今秋、「週刊少年チャンピオン」(秋田書房)に掲載される予定。

日立「量子ビット」の効率制御で新手法 実用化を加速 

日立製作所は、ケタ違いの計算能力を持つ次世代コンピューターについて、その頭脳にあたる集積回路を構成する「量子ビット」を効率よく制御する新たな手法をを発表した。実用化に向けて開発を加速する方針。
量子ビットについて、場所を固定せずに移動させることで、構造をシンプルにできるほか、隣り合うことでできる起きるエラーを抑える仕組みになっていて、量子ビットの数が増えた場合も効率よく制御できるという。
量子コンピューターは、国内で理化学研究所が国産の初号機を開発し、今年3月にサービスを開始したほか、NECは東芝などでも開発を進めている。

日産自 次世代LiDAR技術活用の交差点事故回避技術を公開

日産自動車(本社:横浜市西区)は6月9日、次世代LiDAR(ライダー)を活用した運転支援技術を搭載した試作車による交差点事故回避技術を公開した。この技術により、信号や標識を見落とした車両が目の前に現れたときには、相手の位置や速度の変化を高い精度で計算し、必要なグレーキ操作を瞬時に判断して衝突を回避する。急ブレーキを作動させた後も、危険を回避し次第ブレーキを解除するなど、状況の変化に直ちに対応するという。

JERA,日本触媒,千代田化工 水素供給網構築でNEDOの事業に採択

JERA(本社:東京都中央区)、日本触媒化学(東京本社:東京都千代田区)、千代田化工建設(本社:横浜市西区)の3社は6月9日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業」に採択されたと発表した。
この事業はアンモニアを水素エネルギーキャリアとして有効活用することを目的に3社の知見を合わせることで、既存の技術より競争力あるアンモニア分解技術の確立に向けて、アンモニアから水素を取り出すための触媒の開発を行うもので、2025年度までの約3年間にわたって実施する。

Skydio ドローンの遠隔操作による目視外飛行の許可取得

自律飛行技術によるグローバルリーダー、米国のドローンメーカーのSkydio(スカイディオ、本社:米国カリフォルニア州)は6月7日、国土交通省航空局より無人航空機の飛行「カテゴリーⅡ」で、「無人飛行機の飛行に関する許可・承認」を得たと発表した。同飛行許可取得は、Skydioが日本国内で展開するすべてのドローン機体と、その搭載ソフトウェア種類を対象とするもの。一部例外を除いた日本全国で、場所・時間を問わず、運用規模を広げて、遠隔操作による目視外飛行を柔軟に行うことを可能にする。Skydioは米国最大のドローンメーカーで、自動飛行技術のグローバルリーダー。

クボタ 東京農工大と営農型太陽光発電で3年間の共同研究開始

クボタ(本社:大阪市浪速区)は6月6日、東京農工大学と営農型太陽光発電設備下での、最適な作物の栽培方法の確立を目指した共同研究を開始したと発表した。両者の共同研究の実施期間は2023年1月〜2025年12月。東京農工大学敷地内、約25aで行う。栽培作物はブルーベリーほか。