米国のメリーランド大学は1月10日、遺伝子を操作して、拒絶反応が起こりにくくしたブタの心臓を、世界で初めて心臓疾患の男性に移植することに成功したと発表した。人間に移植できる臓器をつくりだす研究は各国で進められていて、将来的に移植用の臓器の確保につながる技術として期待されている。手術は7日に行われたが、3日後の10日現在も、男性の容体は安定しているという。
東工大,東大 低下した全固体電池性能を加熱処理 新技術開発
東京工業大学、東京大学、山形大学などの研究グループは1月7日、性能が低下した全固体電池を加熱処理で大幅に向上させる新たな技術を開発したと発表した。
同グループは、全固体電池の固体電解質と電極が形成する界面の抵抗が、大気中の水蒸気によって大きく増加し、電池性能を低下させることを発見。さらに増大した界面抵抗は加熱処理を行うことによって1/10以下に低減し、大気や水蒸気に全く曝露せずに作製した電池と同等の抵抗に改善できることを実証した。つまり、全固体電池の低下した性能を、加熱処理だけで大幅に向上させる技術を開発した。
高速な充電や高い安全性が期待される全固体電池は、リチウムイオン電池の代替に向けて活発な研究が行われている。しかし、固体電解質と電極が接する界面抵抗が大きく、充電に要する時間がリチウムイオン電池より長くなることが課題だった。今回の成果は、全固体電池の実用化に向け、大きく貢献するとみられる。この研究成果は2022年1月6日(米国時間)に米国化学会誌「ACS Applied Materials&Interfaces」にArticleとして掲載された。
日本触媒 阪大と素材表面に抗菌・抗ウイルス効果付与材料開発
JERA NEDO石炭ボイラのアンモニア高混焼技術開発・実証に採択
JERA(本社:東京都中央区)および三菱重工業(本社:東京都千代田区)は1月7日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業/燃料アンモニアサプライチェーンの構築プロジェクトで、石炭ボイラにおけるアンモニア高混焼技術の開発・実証に関する事業に応募し、採択されたと発表した。
この事業は、石炭ボイラに適したアンモニア専焼バーナを開発し、実機で実証運転することを目指すもの。事業期間は2021年度から2028年度までの約8年間。2024年度までにアンモニア専焼バーナを開発し、実施実証に向けて設備の基本計画を策定する。その結果を踏まえ、JERAの保有する三菱重工製の石炭ボイラで実証可否を判断する。実機実証では2028年度までに、ボイラ型式の異なる実機2ユニットで50%以上のアンモニア混焼を検証する計画。
日本製鉄,JFE,神戸製鋼 製鉄プロセスの水素活用がNEDOに採択
千代田化工など燃料アンモニア供給網構築に係る開発・技術実証
JERAとIHI NEDOのアンモニア混焼率向上技術の実証に採択
JERA(所在地:東京都中央区)およびIHI(本社:東京都江東区)は1月7日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業/燃料アンモニアサプライチェーンの構築プロジェクトに対し、石炭ボイラにおけるアンモニア混焼率向上技術の開発・実証に関する事業に応募し、採択されたと発表した。
この事業は新たにアンモニア高混焼バーナを開発し、同バーナを碧南火力発電所4号機または5号機に実装し、アンモニアの混焼率を50%以上に拡大させることを目指す。事業期間は2021年度から2028年度までの約8年間。
2024年度までに50%以上のアンモニア混焼が可能なバーナを新規開発するとともに、ボイラをはじめとした設備の仕様などを検討する。実装する場合、2028年度までに実機で50%以上のアンモニア混焼を開始する計画。
IHI 液体アンモニア100%燃焼によるCO2フリーガスタービン開発
IHI(本社:東京都江東区)は1月7日、東北大学、産業技術総合研究所とともに、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/燃料アンモニアサプライチェーンの構築プロジェクト」に対し、液体アンモニア専焼ガスタービンの研究開発に関する事業に応募し、採択されたと発表した。
アンモニア(NH3)は、炭素(C)を含まないことから、燃焼時にCO2を排出しない燃料として既存発電設備で利用することが可能。今回採択された事業では、ガスタービンコジェネレーションシステムから温室効果ガス削減に向けて、2MW級ガスタービンにおいて液体アンモニア専焼(100%)技術を開発するとともに、実証実験を通じた運用ノウハウの取得や安全対策等の検証を行い、社会実装の確度をさらに高めていく。事業期間は2021年度から2027年度までの約7年間。
NEDO アンモニア火力発電へ脱炭素基金 JERAなどに279億円
川崎重工 液化コスト低減目指した水素液化機の大型化開発へ
川崎重工は12月28日、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「グリーンイノベーション基金事業」の「革新的液化技術開発」に係る採択を受け、水素液化機の大型化・高効率化開発を開始したと発表した。
今回の開発では、100%子会社の日本水素エネルギーを幹事会社として、同様にNEDOの公募として採択された「液化水素サプライチェーンの商用化実証事業」と連携しながら、2021年6月18日に経済産業省が関係省庁と策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」に示されている2030年30円/N㎥(船上引渡しコスト)、および2050年20円/N㎥(同)の水素供給コストを実現するための技術開発を行う。
現時点では日量5トン~25トンの水素を液化できる技術を確立しており、今回の開発を通じてこれらの技術をさらに発展させることで、商用運転規模までの水素液化機の大型化および液化の効率化を図る計画。