ISTとJAXA 小型ロケット用エンジンシステム技術で共創

インターステラテクノロジーズ(以下、IST)と宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は3月2日、新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(以下、J-SPARC)」の枠組みのもと、小型ロケット用エンジンシステム技術の研究開発に関する共創活動を開始したと発表した。
両者のこれまで共創活動を通じ、主要コンポーネント技術の実用化へのめどが得られたことから、次の共創活動(フェーズ2)として、個々の技術をシステムとしてインテグレートした小型ロケット用エンジンシステムの研究開発に取り組むことになった。両者がそれぞれエンジンシステムを構成するコンポーネントの設計・製作をを行い、JAXAが角田宇宙センターでエンジンシステムとしての組立および試験を実施、得られた試験結果を両者で共有する。
ISTは低コストな小型ロケット用エンジンシステム技術をZEROの開発に活用し、早期の実機打ち上げを目指す。

大日本印刷と東京食品機械 プラ使用量を90%削減の紙トレー

大日本印刷(本社:東京都新宿区)と東京食品機械は2月7日、プラスチック使用量を抑えた環境配慮型の密封性を有する紙トレーの共同開発を開始したと発表した。パッケージと包装システムにおける両社の開発力を掛け合わせ、酸素バリア性と密封性を併せ持つ「密封紙トレー」を開発し、惣菜や冷凍食品などの業界に向けて提供していく予定。

日本板硝子 高弾性・高強度ガラスファイバー「MAGNAVI」開発

日本板硝子(本社:東京都港区)は2月2日、耐熱性、電波透過性等のガラスファイバーの特性はそのままに、剛性と強度をさらに高めた新たなFRP・FRTP(繊維強化プラスチック)用補強材として、高弾性・高強度ガラスファイバー「MAGNAVI(R)」を開発したと発表した。
産業製品部材の軽量化、薄型化ニーズの高まりに応え、MAGNAVIは従来のガラスファイバーやカーボンファイバーでは対応の難しいい分野にワンランク上のソリューション提供を目指す。すでにワンプルワークを開始し、2022年下期より津事業所(三重県)での生産体制を整備し、順次販売を拡大していく予定。

ゴールドウイン 環境配慮素材の製品開発でBioworksと提携

ゴールドウイン(本社:東京都渋谷区)は1月25日、石油由来の化学繊維に代わる環境配慮素材の製品開発で、植物由来で生分解性のバイオマスプラスチック、ポリ乳酸繊維「Plax Fiber」の改質剤を開発している素材のスタートアップ、Bioworks(本社:京都府相楽郡)と資本業務提携し、製品開発を推進すると発表した。
これまでBioworksで進めてきたPlax Fiberを使用した短繊維の製品開発に加え、今後は協業によりアウトドア・スポーツ用途などで活用が見込める長繊維の開発を進め、2023年から「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」「Goldwin(ゴールドウイン)」等、同社グループが展開するブランドからの製品開発を目指す。

東洋エンジ タイで混合廃プラ油化技術の共同検討を開始

東洋エンジニアリングは1月19日、タイのSCGケミカルズとの間で、SCGケミカルズが60%出資しているCircular Plas Company Limited(CirPlas)が保有する混合廃プラスチックの油化技術の商業化に向けた共同検討に関する基本合意書を締結したと発表した。
CirPlasが保有するプラスチックのリサイクル技術は、触媒を使用することでプロセス温度を下げる省エネルギー・環境配慮型の油化プロセス。また、プラスチック廃棄物を再度プラスチック原料にリサイクルすることから、タイ国内のみならず他の国々のプラスチック廃棄物問題の低減にも寄与することができる。

帝人 廃棄ポリエステル漁網を食器に再生 海洋プラごみ削減へ

帝人は5月にも廃棄漁網のケミカルリサイクル事業を始める。各地の漁業協同組合と連携して廃棄されたポリエステル漁網を年間1,000トン程度回収。専用のプラントで溶解、食器や文房具といったプラスチック製品に再生する。漁業分野で資源を循環する体制を構築して、海洋プラスチックごみの削減につなげる。繊維子会社の帝人フロンティア(本社:大阪市)が販売したポリエステル原料などから製造した「巻き網」を回収する。日本経済新聞が報じた。

JAXA・三菱重工 次期主力ロケット「H3」打ち上げ再び延期

宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が開発中の次期主力ロケット「H3」の打ち上げが延期となる見通しであることが分かった。これまで2021年度中を目指していた。新型エンジンのタービンの一部に見つかった不具合の解消に時間がかかっており、延期は2回目。
H3は全長約63mで、いまの主力ロケット「H2A」の後継機として開発が進められている。汎用品を使うことなどで、打ち上げ費用を約50億円と現在より半減させる目標を掲げている。当初の計画では2020年度の打ち上げを目指していた。

デンカ,東洋スチレン PS樹脂のケミカルリサイクルプラント建設

デンカ(本社:東京都中央区)t東洋スチレン(本社:東京都港区)は1月11日、使用済みポリスチレン(PS)樹脂のケミカルリサイクルプラントを建設すると発表した。年間処理能力は約3,000トン。デンカの千葉工場(所在地:千葉県市原市)敷地内に建設し、2023年度下期の稼働開始を予定。SDGs達成に向け、廃プラスチックの再資源化による脱炭素・循環型社会の構築を目指す。

米メリーランド大 遺伝子操作したブタの心臓をヒトに移植成功

米国のメリーランド大学は1月10日、遺伝子を操作して、拒絶反応が起こりにくくしたブタの心臓を、世界で初めて心臓疾患の男性に移植することに成功したと発表した。人間に移植できる臓器をつくりだす研究は各国で進められていて、将来的に移植用の臓器の確保につながる技術として期待されている。手術は7日に行われたが、3日後の10日現在も、男性の容体は安定しているという。

東工大,東大 低下した全固体電池性能を加熱処理 新技術開発

東京工業大学、東京大学、山形大学などの研究グループは1月7日、性能が低下した全固体電池を加熱処理で大幅に向上させる新たな技術を開発したと発表した。
同グループは、全固体電池の固体電解質と電極が形成する界面の抵抗が、大気中の水蒸気によって大きく増加し、電池性能を低下させることを発見。さらに増大した界面抵抗は加熱処理を行うことによって1/10以下に低減し、大気や水蒸気に全く曝露せずに作製した電池と同等の抵抗に改善できることを実証した。つまり、全固体電池の低下した性能を、加熱処理だけで大幅に向上させる技術を開発した。
高速な充電や高い安全性が期待される全固体電池は、リチウムイオン電池の代替に向けて活発な研究が行われている。しかし、固体電解質と電極が接する界面抵抗が大きく、充電に要する時間がリチウムイオン電池より長くなることが課題だった。今回の成果は、全固体電池の実用化に向け、大きく貢献するとみられる。この研究成果は2022年1月6日(米国時間)に米国化学会誌「ACS Applied Materials&Interfaces」にArticleとして掲載された。