ルネサス AIアクセラレータと組み込みプロセッサ技術開発

ルネサスエレクトロニクスは2月22日、AIモデルの軽量化に対応した新たなAIアクセラレータと、リアルタイム処理を実現する組み込みプロセッサ技術を開発したと発表した。この結果、新技術の導入前と比べて最大16倍の処理性能(130TOPS)を実現し、さらに世界トップレベルの電力効率(0.8V動作時、最大23.9TOPS/W)を達成した。

日本電気硝子 全固体ナトリウムイオン二次電池を出荷

日本電気硝子(本社:滋賀県大津市)は2月20日、全固体ナトリウムイオン二次電池(以下、NIB)のサンプル出荷を開始したと発表した。同社のNIBは正極、負極、固体電解質すべてが安定した酸化物で構成され、−40℃〜200℃の過酷な環境下で作動し、発火や有毒ガス発生のリスクがなく、ナトリウムを用いレアメタルを使用していない革新的な全固体電池。
今回サンプル出荷する製品は3V200mAhが標準となる。これを経て、2024年度内での販売開始を予定。

レンゴー 子会社が第二世代バイオエタノールの生産実証

レンゴーは2月20日、連結子会社の大興製紙がBiomaterial in Tokyoと提携し、持続可能な航空燃料SAF(Sustainable Avuation Fuel)の原料になる第二世代バイオエタノールの生産実証事業を開始すると発表した。同実証事業はNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成および委託を受け実施する。
大興製紙は建築廃材などの未利用バイオマス資源から生成するクラフトパルプを原料として産業用微生物による自製酵素を用いたバイオエタノール生産技術の開発・実証を行い、2027年までに年間2万klのバイオエタノール生産を目指す。このバイオエタノールは販売先の燃料事業者でSAFに転換され、航空燃料として使用される予定。

日本触媒 米Trevi Systemと次世代システムで海水淡水化

日本触媒(本社:大阪市中央区)は2月15日、Trevi System Inc.(本社:米国カリフォルニア州、以下、Trevi System社)と次世代の海水淡水化/水処理システムの正浸透(FO)システムの基幹部材である浸透圧発生剤(Draw Solution、以下、DS)を共同開発したと発表した。
Trevi System社は、米国エネルギー省から400万ドルの資金援助を受けてハワイ島で、共同開発したDSを用いて海水から淡水をつくるプロジェクトを2022年6月から開始し、すべてのデータ取得を2023年9月に完了している。

世界初 宮崎・都農町で「クエタマ」の陸上養殖に成功

宮崎・都農町、岡山理科大、NTT東日本、NTT西日本の4者による養殖プロジェクトの中間成果報告が2月13日、都農町であった。これはICTと好適環境水を活用し、ハタ科で世界最大級の在来種「タマカイ」、タマカイと高級魚クエを掛け合わせた交雑魚の通称「クエタマ」の世界初の完全閉鎖循環式陸上養殖で、両魚種とも9割前後の生残率で、実験は成功した。タマカイの成長率は他県の約3倍を記録した。
この水産業夢未来プロジェクトは、4者により2022年12月からスタート。2023年4月から都農町に設置した試験養殖施設(7.4トン水槽2基)にタマカイの体長7〜8cmの稚魚224匹と、体長35cmのクエタマ53匹を収容して開始した陸上養殖。

明大発スタートアップ ヒトへの臓器移植用ブタ誕生

明治大学発スタートアップのポル・メド・テック(所在地:神奈川県川崎市)などのグループは2月13日、ヒトに臓器移植する「異種移植」を想定した3頭のブタが11日に誕生したと発表した。これは米バイオテクノロジー企業のイージェネシスがゲノム編集技術で開発したブタの細胞の提供を受け、同社がクローン技術を使って生産したもの。
このブタは臓器移植しても免疫による拒絶反応が起きにくいように、ブタの遺伝子を改変済みという。ポル・メド・テックグループは動物で安全を確認して、2025年度にも臨床試験の開始を目指す。ヒトへの臓器移植を想定したブタが国内で生まれたのは初めて。

TOPPAN 米IBMと2ナノ半導体の回路原版を共同開発

TOPPANホールディングス(本社:東京都文京区)のグループ会社、トッパンフォトマスク(所在地:東京都港区)は2月7日、米IBM(本社:米国・ニューヨーク州)と半導体のウエハーに回路を焼き付ける際に使う原版「フォトマスク」で、最先端の回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)向けの製品の共同開発契約を締結したと発表した。これに基づき2024年2月から5年間、アルバニー・ナノテク・コンプレックス(所在地:米国・ニューヨーク州)とトッパンフォトマスクの朝霞工場(所在地:埼玉県新座市)で開発を進める。2026年の量産開始を目指す。

東大, 早大 培養骨格筋組織の収縮運動で二足歩行ロボ

東大と早大の研究グループは1月27日、生体材料と人工物を組み合わせた新たな二足歩行ロボット開発に成功したと発表した。グループは生体材料と人工物を組み合わせたバイオハイブリッドロボット技術を用い、培養骨格筋組織の筋収縮運動によって実現させた、”柔軟な足”を屈曲して動く二足歩行ロボットを世界で初めて製作した。これにより、ヒトの二足歩行で観察される細やかな旋回運動を再現することに成功した。

NTTデータザム 製造業向け大型金属3Dプリンター販売へ

NTTデータザムテクノロジーズ(本社:東京都港区)は1月24日、製造業向けの大型金属3Dプリンター、AMCM M 8Kを2024年内に販売開始すると発表した。これはs世界最大クラス、800✕800✕1,200mmサイズの部品の造形を狩野とするだけでなく、1KWレーザー8本搭載することで造形時間を短縮し、生産性を劇的に向上させる。また、顧客ごとの用途に適した造形可能サイズや光学系を自由に組み合わせることが可能で、ニーズに合わせたカスタマイズ装置を活用することでユーザーは市場での競争力を高められるという。

農研機構など 水田用自動抑草ロボの抑草効果を実証

農研機構、有機米デザイン、東京農工大、井関農機は1月23日、全国36カ所で行った水田用自動抑草ロボット「アイガモロボ」の抑草効果を確認する実証実験の結果を発表した。雑草の発生量が水稲の収量に影響を及ぼさない程度に抑えられることを確認した。また、アイガモロボの導入により、導入しない場合と比べて収量は平均10%増加し、機械除草の回数が58%減少、水稲有機栽培における省力的な雑草除去技術としての活用が期待される。