出光興産 次世代営農型太陽光発電 実証事業 営農・発電の両立追求

出光興産(本社:東京都千代田区)は6月21日、千葉県木更津市の圃場(水田)で、2023年6月に農業と再生可能エネルギー発電を両立する次世代営農型太陽光発電の実証を開始したと発表した。実証機関は2025年9月まで。発電出力は45KW。
この実証には太陽光を自動追尾して可動する架台と両面受光型の太陽光パネル(両面モジュール)を導入。太陽の動きに合わせて自動的に両面モジュールの向きを調整することにより、農作期にはパネル下で栽培する農作物への太陽光照射を優先する。これにより従来の営農型発電に比べ、「営農」と「発電」の両立を一層追求した事業モデル構築を目指す。

荏原 日大と培養肉製造で共同研究開始 細胞農業の普及目指す

荏原製作所(本社:東京都大田区)は6月21日、脱分化脂肪細胞(DFAT)の開発者、日本大学生物資源科学部の加野浩一郎教授と、培養肉製造を目的とした共同研究を開始したと発表した。
DFATは食肉加工の過程で廃棄される脂肪組織から大量かつ安定的に製造でき、筋細胞および脂肪細胞に分化可能で、高い増殖能力と、骨、軟骨、血管、筋および神経細胞などへ分化転換する多能性細胞。培養肉はじめ細胞農業の様々な用途で安定的な細胞ソースとしての活用が期待される。
荏原は、DFAT大量製造装置と大量培養装置の開発により細胞生産技術の合理化を実現し、細胞農業が広く社会に普及することを目指す。

パナソニックエナジー マツダとEV電池供給で連携協議開始

パナソニックホールディングス傘下のパナソニックエナジー(所在地:大阪府守口市)とマツダ(本社:広島県安芸郡府中町)は6月21日、車載用円筒形リチウムイオン電池の供給に関する中長期的パートナーシップ構築に向けて競技を開始したと発表した。パナソニックエナジーは日本と北米の工場で製造したリチウムイオン電池をマツダに供給し、マツダはパナソニックエナジーから調達した電池を2020年代後半に導入予定のバッテリーEV(電気自動車)に搭載する方針。

大阪メトロ 万博投資に1,000億円 機運醸成へサテライト整備も

大阪メトロ(大阪市高速電気軌道)は6月21日、2025年大阪・関西万博に向け、従来の計画より200億円上積みし、1,000億円を投じることを明らかにした。万博会場の夢洲(ゆめしま)への延伸を予定する中央線の全駅に可動式ホーム柵を設置し、全駅の改札にクレジットカード「Visa(ビザ)」のタッチ決済も導入する。また、城東区・森之宮検車場跡地の約2haの遊休地に2024年から万博の機運醸成のためのサテライト会場を整備する。

警察庁 認知症の22年行方不明者1万8,709人 10年でほぼ倍増

警察庁のまとめによると、2022年に全国の警察に認知症やその疑いがあり、行方不明者として届け出があったのは前年比1,073人(6.1%)増の延べ1万8,709人に上ったことが分かった。統計を取り始めた2012年以降で最多を更新した。この結果、2012年の9,607人から10年でほぼ倍増した。
都道府県別では兵庫が最多の2,115人、大阪1,996人、埼玉1,902人が続いた。2022年に生存して所在が確認されたのは2021年以前に届け出された人を含め1万7,923人。確認までの期間は77.5%が受理当日で、99.6%は1週間以内だった。一方、491人は事故などで亡くなっていた。
なお、認知症以外を含む行方不明者の総数は前年から5,692人増え、延べ8万4,910人だった。過去最少だった2020年から2年連続で増加した。

万博「日本館」建設工事 随意契約で事業者決定急ぐ 入札不成立で

2025年大阪・関西万博の「日本館」の建設工事の入札が不成立になったことで、所管する近畿地方整備局は入札を繰り返しても開幕に間に合わないおそれがあるとして、事業者を任意で決める随意契約に切り替えて7月中の契約を目指すことを明らかにした。日本館の建設期間は19カ月と見込まれ、当初は6月12日の着工を予定していた。工事の発注規模は50億円以上になる見通し。
日本政府が出展する日本館は、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を開催国として発信する拠点となるほか、各国の要人をもてなす場としても活用される予定。地上3階建て、延床面積1万1,300㎡の計画。

日本のSDGs達成 世界21位に後退 気候変動対策, 環境保全で最低

国連と連携する国際的な研究組織「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」は6月21日、国別の達成状況などをまとめた2023年の報告書を発表した。データのある166カ国を比べた達成度ランキングではフィンランドが3年連続で1位だった。日本は2017年に過去最高の11位だったが、以降は徐々にランクを落とし、2022年の19位からさらに後退、21位となり、世界のトップ20から脱落した。
日本は「ジェンダー平等」「つくる責任、つかう責任」「気候変動対策」「海の環境保全」「陸の環境保全」の五つが、2022年に続いて最低評価だった。

ワインの天然醸造にブドウ皮の常在菌が大きな役割 大学研究G

奈良先端科学技術大学院大学と京都大学の研究グループは6月20日、ワインを天然醸造する際にブドウの皮にいる常在菌が大きな役割を果たしているとする研究成果を発表した。グループは酵母による発酵の条件を調べようと、ブドウの皮の表面にいる常在菌に着目。この常在菌と酵母をブドウの表面につけて発酵させる実験を行った。その結果、菌を加えた場合は、酵母だけの場合に比べて発酵する速度が大幅に速まったという。ワインができるメカニズムの解明につながる成果として注目される。

モスフードサービス バイオマスプラレジン用コメを本格生産へ

モスバーガーを展開するモスフードサービス(本社:東京都品川区)は6月20日、CO2削減の取り組みの一環として、国産非食用米由来のバイオマスプラスチックレジン用コメを熊本で本格的に生産開始すると発表した。
同社は2022年8月から、バイオマスプラスチック「ライスレジン(R)」を25%配合したテイクアウト用スプーン、フォークを導入。今回同用途で使用する非食用米の生産を、同社が出資する農地所有適格法人、モスファーム熊本(所在地:熊本県八代市)で本格的に開始することになった。今季の生産量は40トン程度の予定。これはモスバーガーが全店で使用する環境対応スプーン、フォーク1年分を賄うことができる量という。

豊田合成 パウデックと横型GaNパワー半導体を共同開発

豊田合成(本社:愛知県清須市)は6月20日、パウデックと共同で太陽光発電などに応用される電力変換装置の性能向上につながる、高性能な横型GaNパワー半導体を開発したと発表した。これにより、世界トップクラスとなる800Vで100万分の1秒でのオン・オフ動作を確認したとしている。今後安定した連続動作と耐久品質の確保を通じて、早期実用化を目指す。