大阪万博に「テーマウィーク」導入 課題解決を訴求

2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の運営主体、日本博覧会協会は1月18日、1つのテーマに絞って1週間程度イベントを開催する取り組み「テーマウィーク」を万博に導入すると発表した。今春をめどに内容を決める。テーマウィークは前回のドバイ万博でも実施され、10テーマを取り上げていた。
テーマウィークの実施主体は日本政府や自治体、万博への参加企業など。1つのテーマに原則としておよそ1週間充て、シンポジウム、国際会議、ビジネスを創出する見本市や商談会などのイベントの開催を想定する。SDGs(持続可能な開発目標)などに関する話題を取り上げ、社会課題の解決を重視する万博として世界にアピールする。

日本バス協会 EVバス導入30年に1万台の目標公表

公益社団法人 日本バス協会は、2030年までに累計1万台のEV(電気自動車)バスを業界内で導入する目標を明らかにした。国土交通省ではEVバス導入支援の予算として、2023年度は2022年度の10倍以上にあたる100億円、約500台分を見込んでいる。
ただ、現時点でEVバス導入例は少ない。自動車検査登録情報協会によると、国内のEVバスは2022年3月末時点でわずか149台にとどまる。国内企業のEVバス生産参入は遅れており、現在は中国のBYD製が大半を占めるとみられる。公式にはわずかにスタートアップのEVモーターズ・ジャパン(所在地:福岡県北九州市)が、2023年末に国内で組立工場を稼働させる計画を公表している。このほか、トヨタ自動車などが参加する商用車の技術開発会社コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)が2024年度に生産を開始すると発表している。

ホンダ・JAXA 月面探査車の電力供給Sを研究開発

ホンダは1月19日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との間で、月面探査車向けの電力供給システムの研究開発契約を締結したと発表した。2024年3月末までに初期段階の試作機をつくり、米国主導の有人月面調査「アルテミス計画」で2020年代後半以降の投入を目指す。ホンダ独自の水を電気分解する技術と燃料電池を組み合わせたシステムを開発し、提供する。同システムにより、太陽エネルギーと水から月面探査車で人が生活するための電気をつくることができるという。

22年貿易収支 最大19.9兆円の赤字 円安と資源高響く

財務省が1月19日発表した2022年の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は19兆9,713億円の赤字だった。比較可能な1979年以降で最大規模の赤字となった。記録的な円安と資源高で輸入額が大幅に増えたため。
貿易赤字は2年連続。2014年の12兆8,160億円を上回り、過去最大の赤字となった。輸入額は前年比39.2%増の118兆1,573億円で、初めて100兆円を超えた。一方、輸出は同18.2%増の98兆1,860億円で過去最高を更新した。

パナソニックHD 介護支援「排泄センサー」開発提供

パナソニックホールディングスとパナソニックくらしアプライアンス社は1月19日、介護施設向け介護業務支援サービス「ライフレンズ」と連携可能な「排泄センサー」を新たに開発。3月よりライフレンズのオプションとして提供を開始すると発表した。排泄記録の自動化を通じて、さらなる見守り業務の負担軽減と、入居者のQOL向上を実現する。
今回開発した排泄センサーは、入居者のトイレの入退室時間や排泄状態を自動で検知してデータとして保存。ライフレンズと連携させることで排泄情報の一元管理が可能になり、介護職員の業務負担軽減と、より質の高いケアの提供につなげる。

新型コロナ 今春「5類」移行へ 岸田首相が検討指示

岸田首相は1月20日、新型コロナウイルス感染症法の位置付けについて、原則として今春、現在の「2類相当」から、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き上げる方針を示した。そのうえで加藤厚生労働相、後藤新型コロナ対策担当相に対し、専門家による議論を進めるなど対応の検討を指示下。
また現在、全額公費で負担している医療費について、政府内では当面は公費負担を一部継続し、段階的に縮小していくことが検討されている。

電動キックボード 7/1から全国統一ルール導入

警察庁は1月19日、普及が進む電動キックボードについて、7月1日から全国統一の新たな交通ルールを導入する方針を明らかにした。地域や車体により異なる現行のルールが分かりづらいとの声があり、2024年春をめどに導入予定だったが、開始時期を前倒し実施する。電動キックボードは立ち乗りの二輪車で現行法では原付バイクに分類されている。
新ルールのもとで電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」となり、①最高速度を時速20キロ以下に設定②車体のサイズ:長さ190cm以下、幅60cm以下③運転免許不要ーなどとなる。

12月の消費者物価4.0%上昇 41年ぶり高い伸び

総務省が1月20日発表した2022年12月の全国の消費者物価指数は変動の大きい生鮮食品を除いた指数が前年より4.0%上昇した。4%の上昇はオイルショックの影響が残っていた1981年12月以来41年ぶり。
原油価格の高騰で都市ガス代が33.3%、電気代が21.3%上昇した。また、原材料の高騰の高騰や円安などの影響で食用油やハンバーガーなどが7.4%上昇(生鮮食品を除く)したほか、ルームエアコンなどの家庭耐久財が10.8%、携帯電話機が22.1%それぞれ上昇した。

富士通 台湾の中央気象局第六世代スパコンS構築

富士通(本社:東京都港区)は1月17日、台湾交通部中央気象局(所在地:台北市)の第六世代数値気象予報スーパーコンピュータシステムを構築したと発表した。同システムは2022年6月より稼働開始し、2023年12月に完成する。最終的なシステムの総理論演算性能は10ペタフロップスとなり、台湾で最も高速なスーパーコンピューターとなる予定。ペタは1,000兆(10の15乗)のことで、毎秒1,000兆回の浮動小数点演算ができることを表す。

日銀 金融緩和の縮小見送り 物価見通し22年度3%に

日銀は1月17〜18日開いた金融政策決定会合で、現行の長期金利の許容上限を0.5%程度のまま、大規模な金融緩和策の維持を決めた。市場の観測で広がっていた緩和の縮小は見送った。
物価上昇率見通しは2022年度は3.0%、2024年度は1.8%と2022年10月公表時点から引き上げ、2023年度は1.6%に据え置いた。