今年の最低賃金めぐり日産の現地法人で労働争議
日産自動車の現地製造・販売法人、日産モーター・インドネシア(NMI)社のチカンペック工場は、今年の最低賃金をめぐる労働争議で4月8日からストライキに突入している。
昨年9月に設立された同社労組が加盟するインドネシア金属労連(FSPM)のプルワカルタ支部によると、他の日系自動車メーカー6社の今年の最低賃金水準は250万ルピア前後。NMI社はプルワカルタ県で定められた最低賃金の203万1800ルピアを提示している。地域によって法定最低賃金は異なるが、業界内では最も低い水準。経営側は会計年度の新年度の4月にも毎年調整があると説明。労使間で1月下旬から6回にわたり協議が続けられたが、妥結には至らず、ストに突入したという。
経営側は勤続1年以上の従業員を対象とした地方労働局の仲裁案を提示。15日の時点で約530人が勤務再開を希望し、16日に設定された意思表示の期限までに1000人に達すると見込んでいる。労組側は同社の工場従業員約1500人のうち、組合加盟員は約1200人としている。経営側は16日午前にプルワカルタ県の警察の仲介で協議を行った後、早ければ同日(16日)中に工場の操業を再開するとしている。
NMI社は4月9日、16日付で昨年4月に就任した泉田金太郎社長が退き、アジア・パシフィック日産自動車社長としてアジア大洋州地域を統括する前任の木村隆之氏が、タイの現地法人社長などと合わせてNMI社社長を兼任することを発表している。