今年度「中国で事業拡大」日系企業が初の50%割れ
日本貿易振興機構(ジェトロ)が12月16日発表した2014年度「在アジア・オセアニア日系企業実態調査」によると、「中国で事業を拡大する」と答えた企業は46.5%と昨年度から7.7ポイント低下し、初めて5割を下回った。賃金上昇や売り上げ減などを理由に挙げる回答が多かった。対照的にカンボジアやインドなどでは拡大意欲の高まりが目立った。
規模の大小を問わず、中国での事業拡大を期す日系企業がこれまで圧倒的な比重を占めていただけに、今年は分岐点となる可能性もある。5割を下回ったのは比較可能な1998年以降で初めて。中国の退潮とは対照的に、カンボジアは拡大意欲が79.5%に達したほか、インドも78.2%となり、日系企業が”非中国”に軸足を置きつつある姿勢の一端をうかがわせた。調査はジェトロが10~11月、アジア・オセアニアの計20カ国・地域に進出する企業を対象に実施し、4767社が回答した。