人の移動の自由化を加速 ASEAN首脳会議閉幕

人の移動の自由化を加速 ASEAN首脳会議閉幕
 ブルネイの首都バンダルスリブガワンで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が4月25日閉幕した。各国は国境を越えた人の移動の自由化を加速することで一致。ビジネス関係者のビザ免除制度や、域外観光客向けの複数国共通のビザを導入する。投資・サービスや観光の促進で域内競争力を高め、2015年末発足を目指す「ASEAN経済共同体」の創設に弾みをつける。
 導入を進めることで合意した新制度「ASEANビジネストラベルカード」は、域内を商用目的で頻繁に行き来するビジネス関係者に交付。カード保有者は数カ月の滞在ならビザ取得の必要がなくなる。現在、ミャンマーでビザ取得が必要なほか、他国も商用の入国・滞在は1カ月程度しか認めていない。出張者は入国審査の際、長時間待たされることも珍しくなかったが、今後は専用レーンを使った簡単な手続きで済む。
 インドネシアのマルティ外相は4月25日、同制度について、対象を域外に広げる可能性があると語り、将来的な適用範囲を日本、中国、韓国などに広げる可能性を示した。