バリ島でホテル建設ラッシュ 稼働率・単価に陰り
インドネシア観光省の調べによると、同国最右翼の観光地バリ島で運営されているホテルが2212軒(客室計5万室) に達したことが分かった。2月21日には米系リッツ・カールトンがオープンし、他の五つ星級ホテル2軒も年内に進出する。ホテルやヴィラの建設が加速するのに伴い、客室単価や稼働率に陰りが見え始め、バリ州政府は宿泊料金の下限設定など過当競争への対策を迫られる事態となっている。バリ州観光局に登録されたホテル件数は2014年、過去5年で最高を記録した。インドネシア中央統計局によると、未登録のものを含めるとバリ島の宿泊客室数は7万5000室に上ると推計している。
ホテルの建設にラッシュに伴い稼働率が低下、過当競争の結果、客室単価も下がっている。不動産大手によると、2014年、五つ星ホテルの平均客室単価は前年比12%減の445㌦となり、客室販売売り上げも同5%減の316㌦だった。ホテル業界全体の稼働率は11~13年は62%前後を維持していたが、14年は51%へと大幅な低下となった。
こうした状況を踏まえ、バリ州知事は中級以下のホテルの競争激化を回避するため、宿泊料金の下限設定を検討するとしている。これは例えば1泊100万ルピアのところを40万ルピアで販売した場合でも、課税対象は100万ルピア分とするなどの規定を設けるもの。ホテル・レストラン協会のバリ支部からも下限設定を歓迎する声が出ている。地元メディアが報じた。