マルシナ事件から20年 人権団体などが全国各地で集会
インドネシアで労働運動が厳しく制限されていたスハルト政権期の1993年、労働運動を率いたことから虐殺されたとされる女性労働者マルシナさん(当時24歳)をしのぶ集会が5月8日、全国各地で開かれた。真相が究明されないまま20年が経過したが、労働運動のシンボルとして人権団体などが労働者の権利向上を訴え続けている。
マルシナさんは生前、東ジャワ州シドアルジョの時計工場の工員でで、労働運動の指導者の一人だった。賃上げデモや交渉などを行っている過程で行方が分からなくなり、遺体が同州ンガンジュックの森で見つかった。検視の結果、医師は拷問によるものとされる傷などが体にあったと診断した。虐殺に関わったとされる軍人1人を含む計10人は禁錮4~17年を言い渡されたが、最高裁が逆転無罪を認定した。
ジャカルタでデモ行進した人権団体「女性運動委員会」は8日、マルシナさん虐殺が通常の殺人ではなく、国家による虐殺と主張し、再捜査するよう求めた。