新興国の無電化地域で日本企業の「動く発電所」人気

新興国の無電化地域で日本企業の「動く発電所」人気

新興国の無電化地域で、コンテナに発電機などを積み込んだ「動く発電所」の利用が広がっている。パナソニック、三菱重工業などが手掛けており、必要な場所に運んで据え置くだけで電気を使えるのが人気の秘密だ。インフラ整備が追い付かない新興国で重宝されており、各社は”広告塔”の役割も期待して売り込みに力を入れている。

パナソニックの「パワーサプライコンテナ」と名付けられた動く発電所は、長さ2.4㍍、幅3㍍、高さ2.5㍍の輸送用コンテナの屋根の出力3㌔㍗の太陽光パネルを載せ、内部に蓄電池が入っている。トラックで持ち運びができ、ドライバーさえあれば設置できる手軽さが売りだ。パナソニックではこれまでに、インドネシアで送電線のない山間部の2つの小学校に納入している。1台約500万円の価格を今後引き下げ、18年度までに500台の受注を目指す。

三菱重工業は、天然ガスを燃料にした火力発電装置をコンテナに収めた「メガニンジャ」を売り出し中だ。出力1500㌔㍗の発電機とエンジンが入っている。コンテナは長さ12㍍、幅2.4㍍、高さ2.9㍍で、トレーラーで運び1日あれば設置して発電を始められる。天然ガスを産出している中国の山間部などで納入実績を積み重ねており、今後はインドネシアやフィリピンなどにも売り込む。読売新聞が報じた。

国際エネルギー機関(IEA)の統計資料によると、アジアの主な無電化地域の人口はインドで3億400万人(全人口の25%)、カンボジアで1000万人(同66%)、フィリピンで2900万人(同30%)、バングラデシュで6200万人(同40%)、インドネシアで6000万人(同24%)に上る。