中国2023年から人口減?労働力3年連続縮小

中国2023年から人口減?労働力3年連続縮小

世界最大の13億を超える中国の人口が2023年ごろ、減少に転じるとの見方が広がり始めた。英誌エコノミストの調査機関やスイス・ジュネーブ大の専門家も23年ごろがピークと分析する。中国の人口問題の著名専門家、易富賢氏は独自の分析で、中国の人口減少開始は23年と予測。ピーク時の人口は13億9200万人と推計している。
中国政府の年次報告によると、10代半ばから59歳までの労働人口はすでに3年連続で、数百万人規模で縮小している。中央政府による、30年以上続く「一人っ子政策」によるものだ。これを受け、中国では人口減や少子高齢化は国力の衰退につながるとの懸念が高まり、同政策の全廃も議論されている。ロイター通信は2月、中国の経済成長が3年連続で8%を割ったのは、労働人口の減少と関係がある-との見方を報じている。
事態を深刻視する中国指導部は2014年、夫婦のどちらかが一人っ子なら、第2子が持てるよう規制を緩和。しかし、専門家は経済成長に伴う育児コスト上昇などのため、第2子を認めても出生率は容易に上がらないとみている。
このため、出生率低下は即、社会の高齢化につながる。易氏は「中国は人類史上、例がない規模で急速に高齢化する」とみている。ところが、そんなごく近い将来の「政府も社会も、そのときの備えができていない」と警鐘を鳴らしている。