ルピア安の基調続く 1米ドル=9800ルピア台
ルピア相場の下落基調が続いている。5月27日は一時的に1米ドル=9800ルピア台となり、数カ月ぶりの低水準となった。政府が国会に提出した補正予算案で国内総生産(GDP)の見通しを引き下げたことなどが影響しているとみられる。インドネシア中央銀行はルピア買いの為替介入を続けているため、外貨準備高は減少する見込みだ。
外電によると、為替相場は一時1米ドル=9849ルピアとなり、昨年6月以来の安値で取引された。背景には、政府が今年の経済成長率の見通しを予算案の6.8%から6.2%に引き下げるなどマクロ経済指標を軒並み下方修正したことがある。邦銀関係者は月末の輸入決済や米ドル高などもルピア安を加速させている要因と指摘、政府が来月にも補助金燃料の値上げを実施しなければ、ルピア安基調は続くとの見方を示した。
中銀が20日に公示を開始した対米ドル為替相場の参照レート(ジャカルタ・インターバンク・スポット・ダラー・レーツ=JISDOR)は5月27日、1米ドル=9782ルピアだった。4月末の外貨準備高は1072億6900万米㌦、前月比24億6900万米㌦増え、4カ月ぶりに上向いていた。