中銀が実質利上げ、翌日物取引金利を0.25%高の4.25%に
インドネシア中央銀行は6月12日、翌日物銀行間取引金利(FASBI)を4.00%から4.25%に引き上げた。金融の安定化を図るための予防的措置と説明しているが、ルピアの対米ドル相場を安定させるのが狙い。昨年1月以来1年5カ月ぶりの変更で、実質的な利上げの実施。
中銀総裁は同日、内的要因としては、対外債務返済のための企業のドル需要や、補正国家予算案の審議があると指摘。金利引き上げや市場介入などの対策を通じ、ルピア防衛を図っていくとともに、現在のルピア安は一時的なものとして、市場に平静を呼び掛けた。6月13日にも予定されている中銀の月例総会では、政策金利(BIレート)を据え置く見通しだ。
邦人関係者によると、ジャカルタ銀行間取引金利(JIBOR)は前日の4.17%から4.38%に上昇。前日までのルピア安も収まった。中銀がFASBIを引き上げた背景には、ルピア安が急速に進んでいることがある。現在は1米ドル=1万ルピア水準で推移している。