乾期に全国各地で豪雨の異常気象 農・漁業、物流に影響
乾期のインドネシアで今、首都圏をはじめ全国各地で洪水、高波注意報が出される、強風を伴う豪雨などの悪天候が続き、農業や漁業、物流などに悪影響が出ている。気象地理物理庁(BMKG)は、例年3~10月の乾期にもかかわらず、雨天が続く異常気象との見解を示し、7~8月まで例年の乾期より雨量の多い不安定な天候が続くと予測している。
BMKGによると、ジャカルタなど首都圏、西ジャワ州、東ジャワ州、東西ヌサトゥンガラ州など広い地域で5月に前年同月比で150~200%以上の雨量を記録している。また、スマトラ島とジャワ島をつなぐ物流ルート、バカウヘニ港(ランプン州)~メラック港(バンテン州)間のスンダ海峡では3~4㍍の高波に見舞われ、生鮮、日用品の入・出荷に影響が出ている。
東ジャカルタのクラマットジャティ中央青果市場では赤トウガラシ、タマネギ、ジェンコル(ジリンマメ)などの農作物の価格が上昇。赤トウガラシはこの2週間で1㌔当たり1万4000ルピアから2万5000ルピアへ跳ね上がっている。世界第2位の天然ゴムの生産量への影響も懸念されている。インドネシアゴム生産者協会(ガプキンド)は、不安定な天候で生産量が減少し、今年は前年比6.6%(20万㌧)減の280万㌧になると予測。当初の前年比2.4%増の300万㌧の目標から下方修正を迫られるとの見通しを示している。