中間所得層の利用増でジャカルタのタクシー業界好調
ジャカルタのタクシー業界が好調だ。これは安定した経済成長を背景に、所得が右肩上がりで増加する中間所得層の利用者が増えているためだ。また、公共交通網が意外に未整備で、料金的にもタクシーの方が快適な割に割安感があるためだ。これに伴い、タクシー業界大手各社は運行台数の大幅な増強など対応を急いでいる。
地元メディアによると、全国の10都市で運行する業界最大手のブルーバード・グループは今年1万台のタクシーを新たに投入する予定だ。タクシーのほかバスやリムジンサービスなどを提供する同グループのこれまでのタクシー保有台数は約2万5000台。今年1年で4割増を目指す。
ジャカルタ首都圏を中心に運行する業界2位のエクスプレスは4月、これまで8000台の車両数を年内に2000台増やし1万台体制とする計画を発表している。車両購入や事業拡大に伴う施設拡充のため、自己資金と銀行融資で5000億ルピア(約48億円)を確保する方針だ。同社は近年、年間2000台ペースで車両を増やしてきており、今後もこのペースで増強していく意向だ。
首都圏のタクシー初乗り運賃は安い会社で5000ルピア、高くても6000ルピアだ。この点、2000ルピア程度の冷房なしバス、3500ルピアのトランスジャカルタと比較しても、そこまで高くないため、市民の所得が増えるのに従い、タクシー利用者が増えているという図式だ。