”煙害”長期化なら隣国2国の観光業への影響は必至
スマトラ島の野焼きに端を発した、インドネシア発の煙害が今後数週間続けば、シンガポール、マレーシア両国の観光業への影響は必至で、同様な事態に陥った16年前を上回る規模の打撃を被るのではないかとの観測が飛び交い始めている。
煙害はシンガポールの高級ショッピング街やマレーシアの人気ビーチリゾート地にも及び、すでに外食産業や観光ビジネスに影響が出ているという。1997年の煙害は約3カ月続き、航空機の運航停止、医療費、商業活動への打撃など被害は90億㌦に達したと推定されている。今回エコノミストや企業からは、大気汚染が深刻化して約1週間が経過した時点で、すでにコストがかさんでいると指摘され、事態は前回より悪いことを示唆する発言が多い。
シンガポールの大気汚染は先週末から24日にかけてやや緩和したが、煙害の今後については長期化するとの悲観的な見方が多い。シンガポールのリー・シェンロン首相はあと数週間、悪くするとスマトラ島で乾季が終わる9月か10月まで続くとみており、天候、とくに降雨の有無次第で状況が大きく変わり、全く予断は許さない。観光産業はシンガポール経済の5~6%、マレーシアの6.4%を占めている。