来年の賃上げ率は「上限を20%に」規定検討の動き
インドネシア政府は来年の賃上げ率について、上限を20%とする規定を検討している。ただ、これに対しては労働組合側は強く反発。経営側も労働集約型産業は20%よりさらに低率とすることを望んでおり、今後の調整は難航が予想される。来年の賃上げ論議を提起しているのがヒダヤット工業相だ。同相は「賃上げを最高でも20%とする特別な政策を取る」との意向を表明し、そのうえで「全国規模の賃上げの指標が必要だ。政令を通じて規定するよう提案している」と語っている。
インドネシア経営者協会(アピンド)のソフヤン・ワナンディ会長は20%の上限案に原則賛成の意向を示しながらも、「労働集約型産業は別に設定すべき」と主張している。労組側は来年の賃上げ率について、補助金燃料値上げによる物価上昇を見込み、今年から50%増を要求するとの方針を示し、経営側から反発の声が上がっている。
インドネシアでは今年、ジャカルタ特別州や西ジャワ州の一部で40%を超える賃上げが実施されたが、急激な賃金上昇が企業経営を圧迫するとして、経営者から苦情が上がっていた。