汚職撲滅委が最高裁に捜査のメス 弁護士との癒着に迫れるか
インドネシアの独立捜査機関、汚職撲滅委員会(KPK)が、これまで最も不透明な司法機関で汚職が常習化していると批判されてきた最高裁判所の捜査に乗り出した。KPKの調べによると7月25日、中央ジャカルタ・スディルマン駅近くにある著名弁護士ホトマ・シトンプル氏の事務所で、同氏の甥の弁護士マリオ・チャルリオ・ベルナド容疑者が、現金7800万ルピアの入った袋を最高裁教育研修局職員のジョディ・スプラットマン容疑者に手渡した。尾行していたKPK捜査員がモナス(独立記念塔)付近でジョディ容疑者を収賄容疑で現行犯逮捕した。
KPKは現職閣僚を含む与野党の政治家、警察幹部などへ捜査の照準を拡大し、実態解明に注力する考えだ。国内世論だけでなく海外での評価も高まる中、KPKがカネに絡む悪習が指摘される「最高裁と弁護士の癒着」構造にどこまで食い込めるか、大いに注目される。