各地域の最低賃金の上昇率の上限を大統領通達で設定

各地域の最低賃金の上昇率の上限を大統領通達で設定
 地元各紙によると、インドネシアのムハイミン労働移住相は、ユドヨノ大統領が各地域の最低賃金(UMK)の上昇率に上限を設定する大統領通達に署名したことを明らかにした。上昇率は前年のインフレ率に5~10%を加えた値とし、人件費の拡大による大量解雇を抑制するのが狙いという。
 同相によると、UMKの上昇率は労働集約型産業でインフレ率プラス5%、資本集約型産業で同プラス10%を上限とする。さらに指標となる適正生活水準(KHL)の調査に今年から中央統計局が参画すると説明。政労使からなる賃金委員会による調査に同局を加え、異論の多かったKHLの算出方法を明確にする。
 インドネシア経営協会(アピンド)のソフィヤン・ワナンディ会長は、最低賃金の上限の設定を歓迎したうえで、「実効性は最低賃金の決定に、最終権限を持つ地方自治体次第」と指摘した。インドネシア労組会議(KSPI)は先に、来年のUMKの5割引き上げを要求。その他労働組合も2割以上の上昇率を求めている。