二ホンウナギの国際取引規制 5月会議では回避
EUが規制につながる動きを見せていた二ホンウナギについて、野生生物の保護を図るワシントン条約に基づく国際取引の規制が、今年5月に開かれる同条約の締約国会議では見送られることになった。
二ホンウナギを巡っては5年前に国際機関が絶滅危惧種に指定したほか、EUが不透明な国際取引の実態調査を求めるなど規制につながる動きを見せ、早ければ5月の締約国会議で規制の導入が決まる可能性があった。二ホンウナギの輸入に依存する日本はこの規制に反対していた。
水産庁などによると、5月の会議で規制の導入を検討すべきだという提案は、昨年12月下旬の期限までにEUをはじめ、いずれの国や団体からも出なかったという。これにより、5月の会議での規制はいったん回避された形となった。
ただ、ワシントン条約の事務局は昨年、二ホンウナギの密漁や密輸が相次いでいるとの報告をまとめており、5月の会議では二ホンウナギの流通の透明性の改善を求める決定がなされる見通しで、改善がみられなければ、その次の締約国会議で規制が提案される可能性がある。