ADB 中国に”借り手”卒業促す 新興国への融資拡大を警戒

ADB 中国に”借り手”卒業促す 新興国への融資拡大を警戒

中国が進める新興国への融資拡大に対し、各国が警戒を強めている。68の国・地域で構成するアジア開発銀行(ADB)は、今回フィジーで開いた総会で、中国向けの貸出金利を引き上げる検討を始め、米国とともに運営を主導する日本は中国にADBからの借り入れを減らすよう要請した。6月に日本で開く20カ国・地域(G20)財務相会議でも議論を続ける方針だ。
ADBが低い金利で優遇して融資する基準は、国民所得で1人あたり6,795ドル。中国は1万6,800ドルとすでに基準の2.5倍に達している。低所得国などを支援するADBの趣旨からはるかに外れているが、ADBの中国向け融資の契約は2018年に約26億ドルと全体の12%を占めている。