神戸大学などのグループが、「マイクロ波」と呼ばれる微弱な電波を発して高い精度で乳がんを発見できる世界初の装置を開発した。すでに協力企業から20億円の出資を受けて、2年後の実用化を目指すとしている。この装置に接続された5cmほどの大きさのセンサーを乳房に当ててマイクロ波を発信する。すると、センサーが跳ね返ってくる電波を検知し、コンピューターで解析するとがんの位置や大きさが立体的な画像となって瞬時に表示される仕組み。 従来、乳がんの検診で行われている「X線マンモグラフィー」は、胸を圧迫するため痛みを伴ううえ、乳腺や乳房を支えるじん帯の密度が高い体質の人は、がんが隠れて画像に写りにくく、発見が難しいという欠点が指摘されていた。これに対し、マイクロ波は乳腺やじん帯を通り抜けるため、がんを鮮明に識別でき、痛みも感じないという。