インドネシア・中国「通貨スワップ」経済協力で合意
インドネシアのユドヨノ大統領と中国の習近平国家主席は10月2日、中央ジャカルタの大統領宮殿で会談し、金融市場の緊急時に資金を融通し合う「通貨スワップ協定」など包括的な経済協力で合意した。3日には両国企業が総額300億㌦(2兆9000億円)規模の事業で協力する文書に調印する。習主席は3月の就任後、初めての東南アジア訪問。
通貨スワップの金額は約150億㌦。両国は2009年に契約を結んだが、12年に失効していた。両国政府は今回、経済・貿易協力の5カ年プログラムのほか、工業団地開発、農林水産、観光、環境、宇宙分野などの協力で覚書を交わした。
また二国間だけでなく、ASEAN(東南アジア諸国連合)プラス主要20カ国・地域(G20)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)など多国間の様々な枠組みで協力していくことで一致した。
両国の2009年の貿易額は266億㌦(約2兆6000億円)だったが、12年には660億㌦まで急増。15年には800億㌦を目標としている。インドネシアにとって中国は最大の貿易相手国だが、中国企業のインドネシアへの直接投資は少ない。インドネシア投資調整庁(BKPM)によると、中国企業の直接投資は1億4100万㌦(約140億円)と外国投資全体のわずか0.6%にすぎない。