用地収用難による遅延でジャワ発電所の総事業費が大幅増に
建設予定の中部ジャワ石炭火力発電所の事業会社に出資する地元石炭大手アダロ・エナジーのボイ・トヒル社長が地元メディアに語ったところによると、用地収用難による計画遅延に伴い、追加費用は10億㌦(約980億円)に上る見通しだ。これは当初の総事業費の25%にあたる。建設費や物資の運搬、請負契約を結んだ企業への支払いに充てられるという。
インドネシアで日本が官民一体で推進する中部ジャワ州バタン県に建設する発電所(総出力200万㌔㍗)プロジェクトの当初の総事業費は40億㌦(約3900億円)で、日本のJパワー(電源開発)と伊藤忠商事が出資している。当初は2012年に着工する予定だったが、環境団体などの働きかけで、環境破壊などを懸念する地主や住民の反対で用地収用交渉が暗礁に乗り上げ難航。現在も交渉が続いており、ユドヨノ大統領は今月(10月)、用地確保が前提条件である事業資金の調達期限の再延長を認める大統領令に署名し、来年10月まで期限が延長された。これにより、16年の予定だった発電所の稼働開始は早くても18年まで遅れる見通しだ。