マレーシアがマラッカ海峡大橋の計画推進をイに提議
計画協議が中断していたインドネシアとマレーシアを結ぶ巨大な橋の建設について、マレーシア側が協議の再開に意欲を示している。ただ、インドネシアはまず脆弱な国内のインフラ整備を優先したいと消極的だ。インドネシア公共事業省幹部によると、9月にタイで開かれた第10回インドネシア・マレーシア・タイ成長三角地帯(IMT-GT)知事フォーラムでマレーシア側が議題に挙げた。構想では、マレーシア・マラッカ州のトゥルック・ゴンとインドネシア・リアウ州ルパト島を結ぶ48.7㌔が橋の部分になり、スマトラ島ドゥマイまで全長120㌔の高速道で二国間を結ぶ。完成すれば、現時点では世界10位以内の長さの橋になる。
この壮大な橋建設に積極的なのは、スマトラ島を経済圏に組み込みたいマラッカ州政府。観光地のマラッカは、インドネシア人観光客を呼び込みたいほか、複数のマレーシア企業がスマトラ島でパーム農園を保有、マレーシアに輸出して折り、橋ができれば運送時間が短縮しコスト削減が見込めるからだ。対照的にインドネシア側は、国内インフラ整備を優先させたいとこの架橋計画には消極的だ。いまのままマレーシアとスマトラ島が陸路でつながれば、資本がマレーシアに流れるとの観測や、島嶼(しょ)間で国内経済がまだうまく統合できていない現状で、橋を造るとマレーシアに資源を取られてしまう-といった警戒感もある。このためインドネシア側は、当面はジャワ島とスマトラ島を結ぶスンダ大橋など国内のインフラ整備を優先する考えだ。