インドネシアの輸出規制ですず調達先に変化 需給に波及
はんだなどに使うすず地金の国内企業が、すずの最大輸出国インドネシア以外から調達する動きが出始めた。インドネシアが8月末から輸出規制を強化したためで、すずを使う新日鉄住金、JX日鉱日石金属などの国内企業はタイやマレーシアからの調達に切り替えたり、通常より多めに在庫積み増しに動き出している。
商社によると、インドネシアは8月末から同国内の取引所を経由しなければすずを輸出できないよう規制を強化した。こうした措置には、国際指標であるロンドン金属取引所(LME)に代わり、値決めの主導権を握る狙いがあるとされる。その結果、9月のインドネシアの地金輸出は前年同月比9割減の786㌧に落ち込んだ。10月は9月に比べ増えるが、それでも3000㌧前後にとどまるとの見方が多い。こうした状況を反映してLME相場も上昇傾向で、来年明けには商社などが抱える在庫も減り、品不足になるとの指摘もある。