ジャカルタ湾のムール貝 水銀汚染がさらに深刻化

ジャカルタ湾のムール貝 水銀汚染がさらに深刻化
 ボゴール農科大学水産海洋学部などの調査によると、工場排水などによる水銀汚染が深刻なインドネシアのジャカルタ湾で、養殖のムール貝(ムラサキガイ)が国際的な環境基準を大幅に上回る水銀に汚染されていることが明らかになった。
 毎日新聞によると、ボゴール農科大の研究班は2012年5~7月に湾内5カ所で採取した養殖ムール貝に含まれる水銀など重金属の量を調べた。その結果、海岸に近いほど数値が高く、沖合1㌔で獲れたムール貝を乾燥させたものから9.362ppmの水銀が検出された。これを国際的な測定法に従って計算すると、世界保健機構(WHO)などが設定している基準値(0.5ppm)の約4.5倍、日本の基準値(0.4ppm)の約5.6倍となる。また、同湾でカドミウム、鉛など他の重金属も基準値を上回る量が確認されている。
 ジャカルタ湾は1970年代から汚染が問題化し、すでに政府は湾内で獲れる魚介類を販売禁止としているが、違反しても罰則はなく野放し状態にある。専門家は政府に早急な対策と実態調査を求めている。