反政府デモが続いているタイ・バンコクで、プラユット政権が発足して以来最大規模とみられるタイ国民の抗議が続いている。主催者発表によると、9月20日のデモには5万人以上が参加した。
今回の抗議デモには、現政権の退陣要求のほかに、かつてない特徴がある。それは国民の間で篤い尊敬を集め、4年前に亡くなったプミポン前国王時代には議論することさえタブーとされた、ワチラロンコン国王をはじめとする「王室」に対する批判を背景に、王制改革を掲げている点だ。
というのは、タイでは軍事クーデターを主導したプラユット首相が、昨年の総選挙後も引き続き政権を率い、軍の影響力を背景に強権的な姿勢をとっている。そしてこの政権を、諫めることなく国王が追認しているためだ。こうした状況を受け、デモ隊はプラユット首相の退陣、憲法改正、王制改革を強く訴えている。