菅首相は11月25日、首相官邸で中国の王毅国務委員兼外相と会談した。この中で沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船の領海侵入が続く問題で強い懸念を伝え、対処を求めた。また、2021年の東京五輪・パラリンピック、2022年の北京冬季五輪の成功に向け、日中両国が協力することを確認した。
このほか、菅首相は中国が統制を強める香港情勢に懸念を伝え、北朝鮮による日本人拉致問題への協力も要請した。日本産食品の輸入規制の早期撤廃、日本産牛肉の輸出再開に関し、中国側の前向きな対応を改めて強く求めた。
王毅外相は、日中関係の安定化に向けて「ともに責任を果たしていきたい」と意欲を表明。「両国は感染症対策と経済関係という2つの方向で協力していく用意がある」と記者団に説明した。菅氏は9月の首相就任後、中国政府の要人と対面で会うのは初めて。