「食傷気味のアベノミクス」三菱東京UFJセミナー
三菱東京UFJ銀行ジャカルタ支店は11月27日、半年ごとに実施している定例経済講演会を開催した。今回は日本経済の今後と、インドネシアの来年の展望について、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの五十嵐敬喜調査本部長(執行役員)、インドネシア大学バクティアル・アラム理事、三菱東京UFJ銀行ジャカルタ支店の林哲久副支店長の3人が講演し、日系企業幹部ら400人以上が出席した。
五十嵐氏は「アベノミクスの真実~日本の経済は救われるか」と題して講演。経済政策「アベノミクス」について、「あまりにも量が多い”ごちそう”が、次々と出されたようなもので、”飽き”がきている。食傷気味だ」と斬った。また、量的緩和による経済浮揚には懐疑的な見方を示し、要は企業が売り上げを伸ばすような取り組みを考えることがより重要だと強調した。
バクティアル・アラム理事は「政治の年はこの国を変えるか」と題して講演。インドネシアの来年の選挙の行方を概観し、「変わらぬ腐敗体質」「続くさまざまな格差」「拡散する排他性」3つのキーワードに沿って説明した。7月の大統領選で誰が当選しても、民主化の推進、インフラ整備、外資誘致などの課題は変わらないとの見方を表明。一方、腐敗や格差、排他性における抜本的改善は未知数で、民主化の中から出てきた真のリーダーが求められると結んだ。