WTO「税関手続きの簡素化」など3分野で画期的合意
インドネシア・バリ島のヌサドゥアで開催されていた世界貿易機関(WTO)の公式閣僚会議は12月7日、「税関手続きの簡素化」など3分野で部分的な合意に達した。今回合意されたのは、貿易を円滑にするための「税関手続きの簡素化」、農業補助金の特例を認める「農業の一部」、後発発展途上国支援に関する「開発」の3分野。WTOが掲げる「世界全体における貿易障壁の打破」という目標には程遠いが、12年に及ぶ新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)で、初の具体的な成果となる。
2001年にカタールのドーハで始まったドーハ・ラウンドは貿易の障壁を取り除き富裕国と貧困国のどちらも公平で世界的に拘束力のある枠組みの確立を目指している。しかし、WTO加盟159カ国・地域それぞれが持つ保護主義的な思惑から、合意に達することができず交渉は難航していた。今回も会期は4日間の予定で、6日に閉会する予定だったが合意に至らず、7日も未明から協議が重ねられていた。