途上国の石炭火力発電支援停止へ G7気候・環境相会合

5月20日からオンンラインで開かれていた主要7カ国(G7)気候・環境相会合は21日、途上国などに建設する石炭火力発電について、各国に「裁量」を認めつつ、新たな公的支援をやめるための措置を年内に取ることなどを盛り込んだ共同声明を採択した。ただ、「脱石炭」の方向性は一致できても、それぞれ自国の事情から、日本、米国、そして欧州との間で温度差を感じさせるものとなった。
G7のうちフランス、英国、イタリア、カナダの4カ国は2030年までの国内石炭火力の廃止を決め、ドイツも2038年までの達成を表明している。日米は廃止期限示しておらず、脱石炭の取り組みの遅れが目立っている。
同会合には小泉進次郎環境相や梶山弘志経済産業相らが参加。英国で6月開かれるG7サミットや、11月の国連気候変動の枠組み条約締約国会議(COP26)での議論につなげる。
声明では、各国が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロを目指すことで一致。そのうえで排出量の多い石炭火力発電を再生可能エネルギーなどに転換し、2030年代には電力の大部分を脱炭素化するとした。