未製錬鉱物資源の禁輸施行時期迫り政府は対応策に躍起
未加工鉱物資源の輸出を禁止する新鉱業法の施行開始日、2014年1月12日が迫る中、精錬所建設など本来この新鉱業法の目的であった国内の加工体制が整う見通しの立っている企業がほとんどないことから、この施行に国内外から見直しを求める声が上がっている。このため、政府は対応策、いわば同法の”抜け道”をみつけるのに躍起になっており、関係省庁でも法解釈について協議している。地元メディアらが報じた。
ユドヨノ大統領は大統領宮殿に法律の専門家、ユスリル・イフザ・マヘンドラ元法務人権相を招き、対策を講じるよう要請。大統領との1時間にわたる会談の後、ユスリル氏は鉱業法に関連する政令や大臣令の改定により、規定を緩和できる可能性があると指摘した。そのうえで、制限を緩めることで、国家にとっても民間企業にとっても、大きな損失は免れると思うとの見通しを示した。
ただ、11月上旬の国会担当委員会では、同様の例外規定を制度化する政府の提案に対し、「法律軽視につながる」や「これまで十分な準備期間があったはず…」との反対意見が厳然としてあり、14年1月12日からの全面禁輸を回避できるかはまだ不透明だ。
禁輸対象には、同国が世界一の産出量を誇り、日本の調達量の半分を占めるニッケルも含まれている。インドネシア商工会議所(カディン)は、今のまま新鉱業法が施行されれば中小規模鉱山の労働者も含め、全国で80万人に解雇などの影響が出る可能性があると指摘している。