子宮移植 国内実施を容認 慶大,来年にも臨床研究

日本医学会の倫理検討委員会は7月8日、子宮がない女性に第三者から移植し、妊娠・出産ができるようにする「子宮移植」の国内実施について、臨床研究の実施を容認するとの報告書をまとめた。関連する日本産科婦人科学会と日本移植学会が合同委員会を設置し、モニタリング体制を整える。
子宮移植の国内の対象者は、出産適齢期の20~30代で5万~6万人と推計されている。海外では子宮移植はスウェーデンや米国などで2020年10月時点で82件実施され、37人が誕生している。しかし、国内では倫理面への懸念があり、また生体間移植の場合、子宮を提供する側のドナーが負う摘出手術のリスクと、移植を受けて出産するレシピエント側が受ける利益のバランスが釣り合うのかという点も、大きな論点だった。
今回の報告を受けて、国内では慶応大学のチームが」第1例の実施に向けた準備を進めており、年度内にも学内の倫理委員会に申請する方針だ。