過激派の射殺巡り人権団体と警察が平行線の批判、応酬
インドネシアバンテン州タンゲラン市で、対テロ部隊がイスラム過激派とみられる6人を射殺したことを巡り、人権団体コントラスの調査結果と国家警察の説明に食い違いが生じ、批判の応酬合戦となっている。「抵抗を受けたため、射殺せざるを得なかった」とする国家警察に対し、コントラスは「現場では激しい戦闘はなく、6人を殺害する必要性はなかった」との見解だ。地元紙が報じた。
コントラスは1月5日、過激派の6人が立て籠もった家屋の外壁にテロ部隊によるものとみられる複数の弾痕がある一方、その向かい側にある民家など半径5~10㍍以内の建物に6人が応酬して撃ったとみられる銃弾の痕跡はなかったと明らかにした。6人が屋外に爆発物二つを投げ、うち一つが爆発したとされることについても、周辺の民家に爆発の痕跡が見当たらず、損壊などの被害は確認できなかったと説明している。さらに摘発現場で最初に射殺された容疑者については、オートバイに乗っているところを、無抵抗の状態で警察官に頭を撃たれ死亡したと指摘した。
一方、スタルマン国家警察長官は5日、摘発現場で適切に判断して6人を射殺することになったとの見解を示し、市民を守るためのテロ犯掃討に水を差すような批判は許されない-と話した。警察はこれまで、テロ犯が投降の呼び掛けに応じず発砲を始めたことから、激しい銃撃戦になったと説明。また、撃ち合いの最中にテロ犯が爆弾を爆発させたため、現場の状況が緊迫したとしている。