京都大学などのグループは9月8日、オンライン会見で、体の様々な細胞になる万能細胞の一つ「ES細胞」から、マウスを使った実験で試験管の中だけで正常に働く精子を作製することに成功したと発表した。試験管の中で「精子幹細胞」を効率的につくり出す技術を開発したうえ、この精子幹細胞をマウスの精巣の組織と一緒におよそ1カ月半培養した結果、正常に働く精子を作製することができ、卵子に受精させたところ、健康なマウスの赤ちゃんが生まれたという。
ES細胞やiPS細胞などの万能細胞を使って試験管の中だけで生殖細胞をつくり出す技術はマウスの卵子では実現していたが、精子は初めてで、生殖細胞がつくり出されるメカニズムのさらなる解明にもつながることが期待される。