自民党総裁選で岸田氏を選出 決選投票で河野氏退ける

事実上、次の内閣総理大臣を決める自民党総裁選が9月29日行われ、決選投票の結果、岸田文雄前政調会長が新総裁に選出された。決選投票の結果、岸田氏が257票、河野太郎行革担当相が170票で、下馬評で人気の高かった河野氏を退けた。

自民党は「改革」より「安定」を選択
初めて経験する”コロナ禍”に遭い、対策に右往左往した自民党。これを機に”脱皮”変われるはずだったが、結局選択したのは「改革」より「安定」を選択した。
事前に積極的な政策論争が行われていたにもかかわらず、各議員の自主投票ではなく、結局は決選投票では派閥の論理で決着するのか、との批判的な見方が少なくない。派閥の領袖や幹部・古参議員の発言力の相対的低下につながる事態を避け、旧体制を温存した。「世論が政権与党に届かない」「世論とかけ離れた形で運営されている」の批判を受け、「もっと風通しを良くしなければ」としていたはずだが、実際には全く反映されなかった。これで、若手議員の意思はどれだけ反映されたのか疑わしい。党内改革の第一歩は総裁選のあり方から改めなければいけないのではないか。