オンライン形式で10月27日開かれた東アジア首脳会議で、米国のバイデン大統領と中国の李克強(リー・クォーチャン)首相が、現状認識で意見を戦わせ、応酬、対立が際立った。
バイデン氏は中国の南シナ海進出などを念頭に「国際秩序への脅威に対する懸念」を表明した。これに対し、李氏は「南シナ海は全体的に安定を維持している」と反論した。また、バイデン氏は台湾問題に言及「極めて強固に」関与すると強調し、「地域の平和と安定を脅かす中国の高圧的な行動を深く懸念している」と中国を批判した。東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳を前に「インド太平洋に永続的に関わる」とも強調し、同盟国とともに民主主義や公海航行の自由を支持すると訴えた。
一方、李氏は「中国とASEANの共同の努力によって、南シナ海で航行の自由に問題が生じたことはない」と主張。米国の介入は不要だと訴えた。
米大統領の東アジア首脳会議への出席は5年ぶり。ASEANは複数の加盟国が、中国と南シナ海の領有権を争っている。安全保障分野での米国の後ろ盾は不可欠で、各国はバイデン氏の出席を歓迎した。