温暖化の海面上昇で津波の遡上高は海面上昇幅の2倍の試算

地球温暖化により災害の頻発に加え、津波にも大きな影響が出る可能性があることが分かった。南海トラフの巨大地震によって被害が想定される地域で海面上昇の影響について専門家が試算したところ、津波が陸地を駆け上がる「遡上高(そじょうだか)」の上昇幅は、場所によっては海面の上昇幅の2倍以上に達するという。
海面上昇について、気象庁などは追加的な対策を取らず、今世紀末に気温が4度前後上昇した場合、日本付近では平均でおよそ71cm上昇する可能性があるとしている。
東北大学災害科学国際研究所の研究グループの試算では、マグニチュード9クラスの巨大地震が起きた場合、被害想定地域全体の浸水面積は、徳島市で17%、和歌山市で8%、高知市で4%増えた。さらに津波の遡上高は、和歌山市の市街地ではこれまで6m余りとみられていたが、7.6mへと1.5m以上高くなった。すなわち海面の上昇幅71cmの2倍以上となる。