林外相に中国から訪中要請 問題山積も当面静観の様相

林芳正外相は11月21日、中国の王毅国務委員兼外相と18日に電話協議した際、訪中の要請を受けたことを明らかにした。日程は現段階で決まっていないが、今後調整していくと説明している。政府内で訪中の可否や時期を検討する。外相の訪中が実現すれば、2019年12月以来となる。
日中間には中国による沖縄県・尖閣諸島での領海侵入や台湾への軍事的威圧など問題が山積している。2022年は日中国交正常化から50周年の節目にあたる。ただ1昨年来、先送りされている習近平国家主席の国賓待遇での来日に、岸田文雄首相が「日程調整する段階にない」ことを繰り返している。このほか、2022年2月の北京冬季五輪に、米国のバイデン大統領が中国の人権問題を理由に、政府高官らを派遣しない「外交ボイコット」の検討を表明しており、日本の同調を求める声が高まる可能性があり、当面静観せざるを得ないとの慎重論が支配的だ。